2種冷凍学識計算攻略-過去問

 H23年度問1と同レベルです。

2種冷凍「学識」平成29年度問1

問1 R404A冷凍装置が下図の理論冷凍サイクルで運転されている。次のイ、ロ、ハ、ニの記述のうち正しいものはどれか。ただし、装置の冷媒循環量は0.92kg/sである。

2種冷凍平成29年度学識問1

 イ.冷凍能力は、31Rt(日本冷凍トン)である。

 ロ.凝縮器放熱量は、120kWである。

 ハ.冷凍装置の成績係数は、2.2である。

 ニ.蒸発器入口の冷媒乾き度は、0.42である。


(1)イ、ロ (2)イ、ニ (3)ロ、ハ、 (4)ロ、ニ (5)ハ、ニ

イ.冷凍能力は、31Rt(日本冷凍トン)である。

 冷凍能力といえば、この式。

これだけ公式(2)式

 数値代入

冷凍能力Φo数値代入計算

 ここで、安心してはいけません!

 問では、31「冷凍トン」(Rt)とあります。

 ここで、復習。

  1(Rt) = 3.86(kw) ≒ 13900(kJ/h) ≒ 3.86 (kJ/s)

  1(kW) = 1(kJ/s) = 3600 (kJ/h)

 というわけで、

冷凍能力Φo数値代入計算

 よって、イ.31Rtは、◯です。

ロ.凝縮器放熱量は、120kWである。

 凝縮器の放熱量Φkといえば、この式。(上級テキストP1)

  Φk = Φo + P

 さらに、Φkといえば、

  Φk = qmr(h2 - h3)

 ちなみに、Pは

  P = qmr(h2 - h1)

 イ.の問題で、Φoは求めてありますし、qmrとh1~h4までの値も分かっていますので、Φkをいきなり求めても良いですし、Pを求めて足し算しても良いです。

 そうですねぇ、次の問題で成績係数を求めますからPを求めておいたほうが良いでしょう。

 じゃ、圧縮動力は

圧縮動力P数値代入計算

 足し算して、

凝縮器放熱量数値代入計算

【おまけ】
 Φkを冷媒循環量と比エンタルピーから求めてみると、

おまけ凝縮器放熱量数値代入計算

 よって、 ロ.120kWは、×です。

ハ.冷凍装置の成績係数は、2.2である。

成績係数といえば、この式。

COP計算式

 イ.とロ.で計算した、ΦoとPの値を代入するだけです。

COP計算式数値代入

【おまけ】
 h1~h4の数値がすべて指定されているので、hのみの計算式で求めてみましょう。

COP計算式数値代入

 よって、 ハ.2.2は、×です。

ニ.蒸発器入口の冷媒乾き度は、0.42である。

 蒸発器入り口(h4)の乾き度を、定番の「x4」としましょう。この部分を切り取ったp-h線図を記しておきます。

2種冷凍平成29年度学識問1ニ.解説用x4線図

 そうすると、蒸発器入り口(h4)の乾き度x4は、

x4計算式

 数値代入します。

x4計算式数値代入

よって、 二.0.42は、◯です。

 イ.◯ ロ.× ハ.× ニ.◯ と、なりました。

正解は、(2) イ、二 です。


「日本冷凍トン」と「乾き度x4」で挫折しないように。

 ロ.とハ.が×と確信できれば、あとは消去法で「(2) イ、ニ」が導き出せます。

 イ.冷凍能力は、31Rt(日本冷凍トン)である。 

 ロ.凝縮器放熱量は、120kWである。 ×

 ハ.冷凍装置の成績係数は、2.2である。 ×

 ニ.蒸発器入口の冷媒乾き度は、0.42である。 


(1)イ、ロ× (2)イ、ニ (3)ロ×、ハ×、 (4)ロ×、ニ (5)ハ×、ニ

 けっこうなサービス問題かもしれません。 ご健闘をお祈りします。

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