2種冷凍学識計算攻略-過去問

2種冷凍「学識」平成26年度問1

問1 図はR410A冷凍装置の理論冷凍サイクルである。冷凍能力が119 kWであるとき、次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち正しいものはどれか。
 ただし圧縮機の断熱効率ηcを0.70、機械効率ηmを0.85とし、圧縮機の機械的摩擦損失仕事は吐出しガスに熱として加わるものとする。また、配管での熱の出入りおよび圧力損失はないものとする。

2種冷凍平成26年度学識問1

 イ.冷媒循環量は0.7 kg/sである。

 ロ.この冷凍装置の実際の成績係数は3.4である。

 ハ.実際の圧縮機吐出しガスの比エンタルピーは約504kJ/kgである。

 二.実際の圧縮機軸動力は約41 kWである。

 (1)イ、ロ (2)イ、二 (3)ロ、ハ (4)ロ、二 (5)ハ、二

イ.冷媒循環量は0.7 kg/sである。

冷凍能力Φoとh1とh4がわかっているから、冷媒循環量(qmr)といえば、ハイ!(←H24年度からコピペ)

これだけ公式(2)

 (2)式から

 qmr = Φo /(h1-h4)

   = 119 / (430-260)

   = 119 / 170

   = 0.7 [kg/s]

 よって、イ.は、◯です。

ロ.この冷凍装置の実際の成績係数は3.4である。

 実際の成績係数を(COP)Rとして、一気に計算できる公式を組み立てましょう。

  以下、平成24年度問2からのコピペです。過去問こなしていれば楽勝です。

         Φo
  (COP)R = ─────
         P

        qmr(h1-h4)
     = ──────────
         qmr(h2-h1)
        ────────
         ηc・ηm

        qmr(h1-h4)
     = ───────── ηc・ηm
        qmr(h2-h1)

        h1-h4
     = ────── ηc・ηm
        h2-h1

といわけで、これだけ公式(6)ができがりました。

これだけ公式(6)
 (ま、この式を覚えておけばいいんですけど。)

数値代入します。

        430 - 260
  (COP)R= ──────── × 0.70 × 0.85
        465 - 430
        
        170
     = ───── × 0.595
        35

     = 2.8899999

     ≒ 2.89

 よって、 ロ.は、×です。

ハ.実際の圧縮機吐出しガスの比エンタルピーは約504kJ/kgである。

 実際の圧縮機吐出しガス比エンタルピーといえば、h2´です!

実際の圧縮機吐出しガス比エンタルピーh2´

 よくわからない人は、「2種冷凍学識計算攻略-ηm」(加えられと加えられない)を参考にしてください。

           h2 - h1
  h2´ = h1 + ────────
           ηc・ηm

          465 - 430
   = 430 + ─────────
          0.70 × 0.85

          35
   = 430 + ─────
         0.595

   = 488.823529

   ≒ 489

 よって、 ハ.は、×です。

二.実際の圧縮機軸動力は約41 kWである。

 実際の圧縮機軸動力Pを求める公式といえば、ハイ、そうです、(4)式。

実際の圧縮機軸動力といえば、(4)式。

 ですが、せっかくハ.で、h2´を求めたのですから…、スマートに行きましょう。

 ハィ、 P = qmr(h2´- h1) です。

   P = qmr(h2´- h1)

    = 0.7 ×(489-430)

    = 0.7 × 59

    = 41.3

よって、 二.は、◯です。

 イ.◯ ロ.× ハ.× ニ.◯ と、なりました。

正解は、(2) イ、二 です。

 計算式への、ηc、ηm、h2´の使い分けが理解できていれば楽勝でしょう。 ご健闘をお祈りします。

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修正・訂正箇所履歴

【2016/08/30 新設】(← 履歴をここに作った日

  • 問題文のp-h線図を写真から作画に変更。 (2019(R1)/10/05)

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これだけ公式
これだけ公式(1-6全部)

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