乾き度はいいとして、圧縮機吸込み蒸気量、凝縮器放熱量ってか?と、いうような問題です。
問1 下図の理論冷凍サイクルの、p-h線図において、次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち正しいものはどれか。
ただし、装置の冷凍能力は450kWである。
イ.冷媒循環量は、約0.4kg/sである。 ロ.蒸発器入口の冷媒乾き度は、約0.3である。 ハ.圧縮機吸込み蒸気量は、約0.2m^3/sである。 二.凝縮器の放熱量は、約650kWである。 (1) イ、ロ (2)イ、ハ (3)イ、二 (4)ロ、ハ (5)ハ、二
冷凍能力Φoとh1とh4がわかっているから、冷媒循環量(qmr)といえば、ハイ!
(2)式から
qmr = Φo /(h1-h4)
= 450 / (1450 - 334)
= 450 / 1116 = 0.403225
≒ 0.4 [kg/s]
イ.は、◯です。
ここで、ちょっと乾き度について記しておきます。
下図と説明は1種冷凍学識計算攻略ページ「一寸:乾き度xについて」から、コピペしたものです。1種に限らず2種でも乾き度については勉強しておかねばなりませぬ。
図は点cの乾き度をxcとすると、 飽和液Aが(hC - hA)の熱エネルギーを受け入れ点Cとなった。という、基本の一例p-h線図である。
ここで、点Cの乾き度xcは、
hC - hA xc = ─────── …(1) hB - hA
である。
さて、問題にあてはめてみましょう。
点4の乾き度をx4とすると、 飽和液5が(h4 - h
点4の乾き度x4は、
x4 = (h4 - h5) / (h6 - h5)
と、いうことである。
では、数値代入しましょう。
x4 = (h4 - h5) / (h6 - h5)
= (334 - 124) / (1440 - 124)
= 210 / 1316
= 0.1595744
≒ 0.16
よって、ロ.は、×です。
さて、圧縮機吸込み蒸気量とな?…過去問では記憶が無い。
テキストでは、『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P43左側(3.6)式>辺りを理解しておかねばならないでしょう。(汗
上記のテキストを参考にして、圧縮機吸込み蒸気量をqvr、冷媒循環量をqmrとすると、
qvr = qmr・v と、なりまする。
qvr = qmr・v (v=v1) = 0.4 × 0.5 = 0.2 m^3/s
よって、ハ.は、◯
ぅ~ん、いちいち嫌らしいんですよね。凝縮器放熱量とは、凝縮負荷のことなんだね。
『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:(P6)目次の前>の、単位一覧表にΦkとして凝縮器放熱量と凝縮負荷がある。
な~んだ、凝縮負荷のことか。と、わかれば楽勝です!
Φk = qmr(h2 - h3)
数値代入しましょう。Φk = qmr(h2 - h3) = 0.4×(1710 - 334) = 550.4 ≒ 550
よって、二.は、×
正解は、(2) イ、ハ に、なります。
この問題は、「圧縮機吸込み蒸気量」を問わせたり、「凝縮器の放熱量」を用いたり、そして、「乾き度」も含めてありました。テキストを満遍なく勉強しておきなさい。という、資格取得後の活躍のための、ありがたきご指南ご指導ご教授なのでしょう。
ご健闘をお祈りします。
【2016/08/30 新設】(← 履歴をここに作った日)
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