まずは、この一文。
過冷却度とは、ある圧力のもとにある液の飽和温度とその圧力の過冷却液の温度との温度差。
線図からイメージしてください。
凝縮温度30度 過冷却度4K の、p-h線図上での冷媒液の状態点を書き込んでみましょう。
まず、凝縮温度30度なので、t=30の等温線を見つけます。
したらば、飽和液線上の交点に印を付けましょう。
この時の、凝縮圧力は、左横に水平に伸ばした絶対圧力の値になります。
1.192(Mpa abs)と読み取れます。って、そんなに細かく読み取れないん!まぁ、1.12ぐらいでしょうか。
1.192は、R22の「熱力学性質表」を見ると、温度が30度のときの圧力が書かれています。 (反則ですか?試験問題は、ここら辺のことは考慮に入れられていると思います。)
ということは。
圧力1.192(Mpa)と指定されたら、1.192Mpaの点から水平に右に行ったところの等温線の温度が凝縮温度になります。
さて、過冷却度4Kなので、 凝縮温度30度から4度を引きます。
30-4 = 26(℃)
飽和液線上の26度の点(等温線との交点)に印を付けます。 この時の、圧力は1.0727Mpaです。
ちなみに、ここで言っている、4Kと4度(4℃)は、温度差なので同じ意味です。
上図を、少し拡大してみました。
飽和液線上交点から上に垂直線を引き、圧力1.192(Mpa)(等温線30の等温線)の水平線との交点に印を付け、3とします。
この点3が、凝縮温度30度 過冷却度4Kの過冷却液になり、 この過冷却液は受液器を経て膨張弁へと流れていきます。
この過程で、圧力降下や外側からの熱の出入りがなければ、点3から膨張弁の入口までは点3の状態のままです。
そうして、
膨張弁を通過する過冷却液は、弁の絞りの抵抗によって圧力は下がるがエネルギーは変わらず、冷媒液は比エンタルピーhが一定のまま蒸発器入口へと流れていきます。
というわけで、膨張弁が登場してきたので次は絞り膨張作用に進みましょう。