2種冷凍学識計算攻略-過去問

乾き度はいいとして、圧縮機吸込み蒸気量、凝縮器放熱量ってか?と、いうような問題です。

2種冷凍「学識」平成25年度問1

問1 下図の理論冷凍サイクルの、p-h線図において、次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち正しいものはどれか。
   ただし、装置の冷凍能力は450kWである。

2種冷凍平成25年度学識問1
イ.冷媒循環量は、約0.4kg/sである。
ロ.蒸発器入口の冷媒乾き度は、約0.3である。
ハ.圧縮機吸込み蒸気量は、約0.2m^3/sである。
二.凝縮器の放熱量は、約650kWである。

 (1) イ、ロ (2)イ、ハ
 (3)イ、二 (4)ロ、ハ (5)ハ、二

イ.冷媒循環量は、約0.4kg/sである。

冷凍能力Φoとh1とh4がわかっているから、冷媒循環量(qmr)といえば、ハイ!

これだけ公式(2)

 (2)式から

 qmr = Φo /(h1-h4)

   = 450 / (1450-334)

   = 450 / 1116 = 0.403225

   = 0.4 [kg/s]

 イ.は、◯です。

ロ.蒸発器入口の冷媒乾き度は、約0.3である。

ここで、ちょっと乾き度について記しておきます。

下図と説明は1種冷凍学識計算攻略ページ「一寸:乾き度xについて」から、コピペしたものです。1種に限らず2種でも乾き度については勉強しておかねばなりませぬ。

乾き度x説明用p-h線図1

 図は点cの乾き度をxcとすると、 飽和液Aが(hC - hA)の熱エネルギーを受け入れ点Cとなった。という、基本の一例p-h線図である。

 ここで、点Cの乾き度xcは、


      hC - hA
 xc = ─────── …(1)
      hB - hA

 である。

さて、問題にあてはめてみましょう。

H25年度問1乾き度x説明用p-h線図

 点4の乾き度をx4とすると、 飽和液5が(h4 - h5)の熱エネルギーを受け入れ点4となった。という、ことだから

 点4の乾き度x4は、


      h4 - h5
 x4 = ───────
      h6 - h5

 と、いうことである。

では、数値代入しましょう。

      334 - 124
 x4 = ────────
     1440 - 124

      210
   = ──── = 0.1595744
     1316

   ≒ 0.16

 よって、ロ.は、×です。

ハ.圧縮機吸込み蒸気量は、約0.2m^3/sである。

 さて、圧縮機吸込み蒸気量とな?…過去問では記憶が無い。

 テキストでは、『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P43左側(3.6)式>辺りを理解しておかねばならないでしょう。(汗

 上記のテキストを参考にして、圧縮機吸込み蒸気量をqvr、冷媒循環量をqmrとすると、

  qvr = qmr・v と、なりまする。

 qvr = qmr・v  (v=v1)

   = 0.4 × 0.5

   = 0.2 m^3/s

よって、ハ.は、◯

二.凝縮器の放熱量は、約650kWである。

 ぅ~ん、いちいち嫌らしいんですよね。凝縮器放熱量とは、凝縮負荷のことなんだね。

 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:(P6)目次の前>の、単位一覧表にΦkとして凝縮器放熱量と凝縮負荷がある。

 な~んだ、凝縮負荷のことか。と、わかれば楽勝です!

  Φk = qmr(h2 - h3)

数値代入しましょう。
 Φk = qmr(h2 - h3)

   = 0.4×(1710 - 334)

   = 550.4 ≒ 550

よって、二.は、×

イ.◯ ロ.× ハ.◯ ニ.× と、なりました。

正解は、(2) イ、ハ に、なります。

 この問題は、「圧縮機吸込み蒸気量」を問わせたり、「凝縮器の放熱量」を用いたり、そして、「乾き度」も含めてありました。テキストを満遍なく勉強しておきなさい。という、資格取得後の活躍のための、ありがたきご指南ご指導ご教授なのでしょう。

 ご健闘をお祈りします。

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修正・訂正箇所履歴

【2016/08/30 新設】(← 履歴をここに作った日

  • ハ.の解説。(2017(H29)/02/18)
    『SIによる 上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<7次:P58右側(4.6)式>  『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P43左側(3.6)式>
  • ハ.の解説。(2017(H29)/02/18)
    『SIによる 上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<7次:P5>の、単位一覧表ににΦkとして凝縮器放熱量と凝縮負荷があるんだけども、  『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:(P6)目次の前>の、単位一覧表ににΦkとして凝縮器放熱量と凝縮負荷がある。<以下削除>
  • 『SIによる 上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<7次:P58右側(4.6)式> → 『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P43左側(3.6)式>

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これだけ公式
これだけ公式(1-6全部)

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