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冷媒充填量 P183

 『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P183 (14.8 冷凍装置の冷媒充填量)>をよく読もう。

 冷媒量が不足したり多すぎたりした時、冷凍サイクルはどうなるか。しっかり把握しよう。水冷凝縮器でも冷媒過充填は記されている。<8次:P68 (6.2.7 冷媒過充填の影響)

8次改訂版コメ: このページには「充填」と「充てん」が混在しているが、平成28年の法改正(詳細は面倒なので略)で、「充填」に変更された。 テキストは8次改訂版から「充填」に変わっている。問題自体に影響ないが、ま、留意されたい。当サイトも順次または随時変更しようと思う。(ちなみに、令和元年度の問題文は、8次改訂版発行前に作成されたのか、「充てん」である。)

冷媒不足P183

 テキスト<8次:P183 (14.8.1 冷媒充填量の不足)>の数行からまんべんなく、けっこう出題される。蒸発圧力、過熱度、吐出しガス温度、吐出しガス圧力が、どうなるか把握しよう。 (問題が多いので、大雑把に年度をまとめて分類した。)


令和元年度~

・密閉形フルオロカーボン往復圧縮機では、冷媒充てん量が不足していると、吸込み蒸気による電動機の冷却が不十分になり、電動機を焼損するおそれがある。冷媒充てん量の不足は、運転中の受液器の冷媒液面の低下によって確認できる。 R01/15 答え

【◯】  冷媒充てん量の不足は、運転中の受液器の冷媒液面の低下によって確認できる。 については、 テキスト<8次:P183 (14.8.1 冷媒充填量の不足 )>の冒頭に記されている。(ちなみに、echoの点検していた冷凍機は、直径3センチほどの「のぞき窓」があって、冷媒の液面が見えれば点検用紙にを記入。)

・冷媒充てん量が大きく不足していると、圧縮機の吸込み蒸気の過熱度が大きくなり、圧縮機吐出しガスの圧力と温度がともに上昇する。 R02/15 答え

【×】 正しい文章は、(テキスト<8次:P183 (14.8.1 冷媒充填量の不足)>の表題から3行目~)

冷媒充てん量が大きく不足していると、圧縮機の吸込み蒸気の過熱度が大きくなり、圧縮機吐出しガスの圧力が低下するが、吐出し温度は上昇する。

 【 ― 余談 ― 】 ← 特に読まなくても良いです。

 令和2年度の今までと違うところは  大きく不足 の「大きく」が付いていること。(そんなに、深く考えなくてもいいだろうけど。) 因みに、テキストでは  かなり不足していれば と記されている。初級テキスト<8次:P183 (14.8.1 冷媒充填量の不足)>の表題から3行目。

・密閉フルオロカーボン往復圧縮機では、冷凍装置全体として冷媒充填量が不足すると、吸込み冷媒蒸気による電動機の冷却が不十分となり、電動機の巻線を焼損するおそれがある。 R04/15 答え

【◯】 素直な良問題。


平成20年度~平成30年度

・冷媒充てん量が不足していると、蒸発圧力が低下し、圧縮機の吸込み蒸気の過熱度が大きくなり、吐出しガス圧力が上昇し、吐出し温度も上昇する。 H21/15 答え

【×】 吐出しガス圧力は低下する。(温度と混同しないように)まる覚えでも良いかも…。

・密閉形フルオロカーボン往復圧縮機では、冷媒充てん量が不足していると、吸込み蒸気による電動機の冷却が不十分になり、電動機を焼損するおそれがある。 H25/15 答え

【◯】 そうだね。

・密閉形フルオロカーボン往復圧縮機では、冷凍装置として冷媒量が不足すると冷媒ガスによる電動機の冷却が不十分となり、はなはだしいときには電動機を焼損するおそれがある。 H26/15

・密閉フルオロカーボン往復圧縮機では、冷凍装置全体として冷媒充てん量が不足すると、吸込み冷媒蒸気による電動機の冷却が不十分となり、電動機の巻線を焼損するおそれがある。 H30/15 答え

【両方 ◯】 そうだね。

・装置内の冷媒充てん量がかなり不足していると、装置は冷却不良の状態で、蒸発圧力が低下し、吐出しガス温度が上昇するために、冷凍機油が劣化するおそれがある。 H28/15 答え

【◯】  冷凍機油が劣化するおそれがある。は、初めてかな。でも、楽勝。テキストからズバリ的。


平成10年度~19年度

・装置の冷媒量が不足すると、蒸発圧力が低下し、吸込み蒸気過熱度が大きくなるが、吐出しガス温度は低下する。 H10/15 答え

【×】 冷媒量が不足すると、蒸発圧力は低下し圧縮機吸込み蒸気過熱度は大きくなって、吐出しガス温度は上昇する。

・膨張弁手前のストレーナーが目詰まりして冷却器の蒸発温度は変化したが、蒸発圧力は変わらなかった。 H11/15 答え

【×】 この問題はココに置く。
 目詰りだから冷媒不足と考えればいいんだろうね。冷媒液が減少するので蒸発圧力は低下する。

・冷媒量が不足すると、蒸発圧力と吐出し圧力が低下するが、吐出しガス温度は上昇する。 H12/15 答え

【◯】 「冷媒量が不足すると、蒸発圧力と吐出し圧力が低下するが、過熱度が大きくなって、吐出しガス温度は上昇する。」

・冷媒量が不足すると、圧縮機へ液戻りしやすくなる。 H13/15 答え

【×】 この問題はココでいいか。液戻りするのは冷媒液が多いとき。

・装置内の冷媒量が不足すると、圧縮機の吐出しガス圧力は低下するが、吐出しガス温度は上昇する。 H14/15 答え

【◯】 テキストを読みながらイメージしていくしかない。
 冷媒循環量が少ないのであるから蒸発器で完全に気化してしまう。なので、圧縮機に吸い込まれる冷媒はサウナみたいに熱くてカラカラ状態(過熱度が大、温度式膨張弁がもちろん全開で頑張っているが、悲しいかな足りないのよ。)  よって、吐出しガス温度が上昇する。でも、冷媒が少ないのだから吐出しガス圧力は低下する、・・・・頑張って。

・冷媒量がかなり不足すると、蒸発圧力が低下し、吸込み蒸気の過熱度は小さくなる。 H15/15 答え

【×】 「冷媒量がかなり不足すると、蒸発圧力が低下し、吸込み蒸気の過熱度は大きくなる。」
 基本に戻ろう。過熱度とは、「ある過熱蒸気温度と乾き飽和蒸気温度との間の温度差を過熱蒸気の過熱度という。」(『上級冷凍受検テキスト』から)
 過熱度が大きいというのは、カラカラのサウナ風呂(冷媒量が不足している)で温度が高くなっているイメージを思い浮かべる。そんな状態のものを圧縮機で吸い込んで圧縮すると・・・熱い!という感じだよね。

・冷媒充填量がかなり不足すると、蒸発圧力は低下するが吸込み蒸気の過熱度は変わらない。 H16/15 答え

【×】 変わる。過熱度は大きくなる。

・密閉形フルオロカーボン圧縮機では、冷媒充てん量が規定量より不足していると、吸込み蒸気による電動機の冷却が不十分になることがある H16/14 答え

【◯】 テキスト<8次:P183 (14.8.1 冷媒充填量の不足)>の太文字。密閉形は冷媒で冷却しているので冷却不足になる。

・密閉形往復圧縮機を用いた冷凍装置の冷媒充てん量が不足すると、吸込み蒸気による駆動用電動機の冷却が不十分になり、甚だしいときには電動機が焼損する。 H19/15 答え

【◯】 この問題は絶対ゲットすべし。

・冷凍装置の冷媒充てん量がかなり不足すると、蒸発圧力は低下し、吸込み蒸気の過熱度は大きくなり、吐出しガス温度が低下する。 H19/15 答え

【×】 「<略>吐出しガス温度が上昇する。」
 勉強不足、過去問攻略不足だと、たぶん「勘」に頼るしかないだろう。テキストの最初から勉強の積み重ねがここに集積されてきている。


冷媒過充填P183

 冷媒の過充填に関して、テキスト<8次:P183 (14.8.2 冷媒の過充填)>には、3行しか書かれていない。平成23年度から問題が見当たらないのだが…。(2019(R1)-11-27記ス)

 水冷凝縮器で勉強する問題(テキスト<8次:P68 (6.2.7 冷媒過充填の影響)>)は、凝縮器>水冷凝縮器>水冷凝縮器2>冷媒の過充填へどうぞ。問6あたりで出題されます。

水冷凝縮器に冷媒が過充填され冷却管を多数浸している概略図

 過充填になると、凝縮液が凝縮液の多数の冷却管を浸してしまい、有効伝熱面積が減少するので、凝縮圧力が高くなる。圧縮機駆動用電動機の電力量が増大する。

 図は、冷媒液が異様にシェル内に溜まり、多数のチューブを浸しているところ。

 「受液器」がらみのことは、テキスト<8次:P183>には記されていないが、なぜか問15でも出現している。ま、  問15でも問6と同様な問題がでるときがあるよ と、とらえておこう。(2020(R02)/10/10記ス)

・受液器をもたない冷凍装置では、装置内の冷媒量が多すぎると圧縮機駆動用電動機の消費電力量が増加する。 H14/15 答え

【◯】 受液器がないと余分な冷媒液が凝縮器内に滞留し伝熱面積が減少してしまう。よって、熱交換が悪くなり凝縮温度(圧力)は高くなる。そうして(太宰治風)、圧縮機の圧力比は増大し圧縮機駆動の軸動力は増加し消費電力が増加する。

・冷媒を過充てんすると異常高圧になることがある。(フルオロカーボン冷凍装置)H09/13 答え

【◯】 受液器兼用凝縮器では、冷媒液に浸かる冷却管本数が増加し伝熱面積が減少し凝縮が悪くなり凝縮圧力(温度)が上昇する。

・高圧受液器を持たない冷凍装置では、冷媒が過充てんされている場合凝縮圧力が高くなり、圧縮機の消費電力が増加する。 H15/15 答え

【◯】 ぅむむ、その通り!

・冷媒が過充てんされている場合には、凝縮器で冷媒が凝縮するために有効な伝熱面積が減少し、凝縮圧力が高くなることがある。 H20/15 答え

【◯】 理屈抜きで丸暗記で良いでしょう。

・凝縮液が水冷凝縮器の多数の冷却管を浸すほどに冷媒が過充てんされている場合には、凝縮圧力が高くなる。 H22/15 答え

【◯】 ぅむ。

・冷媒が過充填されると、凝縮器内の凝縮のために有効に働く伝熱面積が減少するため、凝縮圧力が低下する。 R04/15 答え

【×】 凝縮圧力が高くなる。


冷媒の充填・回収作業P183~P184

 この項目は、初級冷凍受験テキスト8次改訂版より追加された。フロン排出抑制法に伴う追加である。過去問は今のところ無い、いくつか予想問題を記しておく。 (2022(R04)/01/22記ス)

・冷凍装置のフルオロカーボン冷媒を、追加充填したり回収する場合は、法の規制があるので遵守しなければならない。 by echo 答え

【◯】 そうです!フロン冷媒の大気中への排出を抑制するため、平成27年(2015)に 「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律」(フロン排出抑制法が、施行されました。テキスト<8次:P183 下から5行目>

・冷媒量が不足していたため、装置をすみやかに停止し、追加充塡を実施した。 by echo 答え

【×】 冷媒が減少した原因を明確にし、対策をとったあとでなければ、追加充填してはいけません。テキスト<8次:P183 下2行~P184 4行>

・試運転時の冷媒を過充塡してしまったので、運転状態を見ながら危険防止を施し少量づつ放出した。 by echo 答え

【×】 駄目ですw!! テキスト<P184 5行目~>によれば、運転状態を見ながら冷媒を回収するか、全量の冷媒を回収し再充填しなさいと記されています。

 03/05/01 04/09/05 05/03/21 07/03/24 08/03/15 08/04/26 09/05/31 10/09/16 11/07/01 12/06/04 13/07/18 14/08/16 15/06/24 17/02/15 19/11/26  20/10/10 21/01/16 22/01/22 23/03/28

 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(22/01/22)

修正・訂正箇所履歴

【2016/06/12 新設】

  • 見出しが「運転と点検」だったので「保守管理」に修正。(2016/06/19)
  • 年代順に並び替えた。(2017(H29)/02/15)
  • [Submenu]の「液戻り・液圧縮」の上に変な空白があったので修正。(2018(H30)/08/19)
  • 「冷媒過充填」と挿絵を追加。(2019(R1)/08/04)
  • 「冷媒不足」を、平成20年を区切りに分割してみた。(2019(R1)/11/26)
  • 「冷媒過充填」に問題を他から移動し、追加した。(2019(R1)/11/27)
  • テキスト8次改訂版(R01(2019)-11月改訂)へ対応、および、文章を見直し。(2020(R02)/07/11)
  • 「冷媒過充填」関連の文章を見直し。(2020(R02)/10/10)
  • 「冷媒の充填・回収作業」を追加、および全般的に見直し。(2022(R04)/01/22)

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【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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