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潤滑と油の処置と不具合現象P181~P183(P182 表14.5)

 油の問題。『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P181~P183 (14.7 圧縮機の潤滑と装置内の冷凍機油の処置)とP182の (表14.5 圧縮機の冷凍機油および潤滑装置の不具合現象)>です。 (近年、表から結構出題される。(平成25(2013)年7月17日記す)))

 温度、粘度、潤滑性能、劣化、炭化、乳化、等々結構なボリューム感がある。いままでの知識の集大成的な問題である。健闘を祈る。

吐出しガス温度と油

 テキスト<8次:P181の下の方 ((1) アンモニアの場合)>からの出題です。( ((2) フルオロカーボン冷媒の場合)からは過去問が見当たらない。(2020(R02)/07/11記ス)

(1) アンモニアの場合

・アンモニア圧縮機の吐出しガス温度は、フルオロカーボン圧縮機の場合よりも高温になるが、潤滑油が鉱油の場合は劣化しにくい。 H18/15 答え

【×】 過去問をガンガンやっていれば、楽勝にわかる問題。鉱油も劣化する、惑わされないように。テキスト<8次:P181の最下行>(<8次:P53 (4.4.5 アンモニア冷媒の特徴)>も参考に)

・アンモニア圧縮機の吐出しガス温度は、フルオロカーボン圧縮機の吐出しガス温度よりも低いため、冷凍機油は劣化しにくい。 H21/15 答え

【×】 んな、こたぁあない。「アンモニア圧縮機の吐出しガス温度は、フルオロカーボン圧縮機の吐出しガス温度よりも高いため、冷凍機油は劣化しやすい。」
 テキスト<8次:P181下3行>(参考:<8次:P172 (14.3.1 圧縮機吐出しガスの圧力と温度)下から6行目~)

・同じ運転条件でも、アンモニア圧縮機の吐出しガス温度はフルオロカーボン圧縮機の場合よりも高く、通常は100℃を超えることが多い。 H22/15 答え

【◯】 ぅん。100℃超えは、けっこう恐怖だね。テキスト<8次:P181の下3行>ズバリ的。頑張ろう。

・同じ運転条件でも、アンモニア圧縮機の吐出しガス温度は、フルオロカーボン圧縮機の場合よりも低くなる。 R04/15 答え

【×】 テキスト<8次:P181 下から3行目~>

同じ運転条件でも、アンモニア圧縮機の吐出しガス温度は、フルオロカーボン圧縮機の場合よりも高くなる。


(2) フルオロカーボンの場合

・圧縮機では一般に強制給油式が採用されており、給油装置と冷凍機油の状態がその潤滑作用に大きな影響を及ぼす。フルオロカーボン冷媒の場合は、装置内を循環させて、圧縮機クランクケースの油面高さが常に同じになるようにする。 by echo 答え

【◯】 テキストを引用 + 合体して作りました。(解説略、疲れ


油圧の過大・過小

 テキスト<8次:P182 (表14.5)>の「油圧の過大」と「油圧の過小」から出題される。

・圧縮機において潤滑油量の不足や油ポンプの故障などで油圧が不足すると、潤滑作用が阻害される。 H24/15 答え

【◯】 そうだね。勉強しなくてもわかる!?サービス問題。

・強制給油式の往復圧縮機では、潤滑装置と冷凍機油の状態がその潤滑作用に大きな影響を及ぼす。油圧が過大になると、シリンダ部への給油量が多くなり、凝縮器、蒸発器の熱交換部の汚れを引き起こす。 R01/15 答え

【◯】 テキスト<8次:P185の表14.5「油圧の過大」>によれば、凝縮器、蒸発器の伝熱面に油が付着してしまい熱交換が阻害される。


過熱運転

 初級テキスト<8次:P182 (表14.5)>の「圧縮機の過熱運転」から出題される。

・圧縮機のシリンダの温度が過熱運転により上昇すると、潤滑油が炭化し分解して不凝縮ガスを生成することがある。 H24/15 答え

【◯】 表をまんべんなく読んでおく必要があります。1章からの集大成器的な表なので今までの理解度が要求される…、健闘を祈る。

・圧縮機が過熱運転となると、冷凍機油の温度が上昇し、冷凍機油の粘度が下がるため、油膜切れを起こすおそれがある。  R02/15 R05/15(「過熱運転なると、」、他同じ。) 答え

【◯】 素直な良い問題だね。テキスト<8次:P182 (表14.5)>の「圧縮機の過熱運転」に  油温は冷凍機の劣化を防止するため130℃以下におさえること。 と記されていることが、今後の気になるところです。


油温の低下

テキスト<8次:P182 (表14.5)>の「油温の低下」から出題されていない。予想問題を置く。

・冷凍機油の性状が冷凍装置の運転状態に適合せず油温の低下がおこると、冷却管などに付着し冷却機能を阻害する。また、油戻りが悪い、流動抵抗が大きい、などによる油量不足で潤滑不良となる。 by echo 答え

【◯】 表14.5の「油温の低下」を強引にまとめてみました。油温低下で運転し続けると、いろいろな弊害が起こりそうですね。


異物・水分の混入

 テキスト<8次:P182 (表14.5)>の「水分の混入」から出題される。(8次:P174 (14.4 装置内の水分)も参照。)

・冷媒サイクル内に水分が混入すると、遊離した水分は油を乳化させ、潤滑を阻害することがある。 H23/15 答え

【◯】 乳化は、油が牛乳のように白くなる。


圧縮機の真空運転

 テキスト<8次:P182 (表14.5)>の「圧縮機のシンク運転」から出題されていない。予想問題を置く。

・クランクケース内が真空運転になると、油ポンプへの冷凍機油の吸込みが悪くなり、油ポンプより吐き出される油量が減少する。 by echo 答え

【◯】 ま、なんとなくこういうことになると覚えておきましょ。


油面の傾斜と揺動

 テキスト<8次:P182 (表14.5)>の「油面の傾斜と揺動」から出題されていない。予想問題を置く。

・冷凍機油の吸込み口が油面上に開放されると冷凍機油の吸い込みが限害されるから、油量および据え付けに注意する。 by echo 答え

【◯】 テキストを、マンマ引用した。(疲れたので解説略!)


冷媒による希釈

 テキスト<8次:P182 (表14.5)>の「冷媒による稀釈」から出題される。 他に<8次:P41の3行目  冷凍機油の粘土を低下 の一文と、 (3.6.5 オイルフォーミング) >も、参照するとよいでしょう。

・冷媒が冷凍機油中に溶け込むと、油の粘度が高くなり、潤滑性能が低下する。 H23/15
・冷媒が冷凍機油中に溶け込むと、油の粘度が高くなり、潤滑性能が下がる。 H27/15
・冷媒と冷凍機油が混ざると、油の粘度が高くなり、潤滑性能が低下する。 H30/15
 答え

【全部 ×】 出題が多いですが、楽勝ですね。  冷媒が冷凍機油中に溶け込むと、油の粘度が低くなり、潤滑性能が低下する。

・冷凍機油中に冷媒が溶け込むと、冷凍機油の粘度が高くなり、潤滑装置に不具合が生じる。 R05/15 答え

【×】 ぅむ。同じような文面だが別枠にした。令和だし…。

「冷凍機油中に冷媒が溶け込むと、冷凍機油の粘度が低くなり、潤滑装置に不具合が生じる。」


長期停止後の急激な真空運転

 テキスト<8次:P182 (表14.5)>の「長期停止後に急激な真空運転をしたとき」からで、問15にオイルフォーミングの問として出題されている。

・オイルフォーミングは、冷媒液に冷凍機油が混ざり、油が急激に蒸発する現象である。 H26/15

・オイルフォーミングは、冷媒と冷凍機油が混ざり、冷凍機油が急激に蒸発する現象である。 H30/15 答え

【×】 ぅ~ん、問15で出題されているからココに置く。
 テキスト的には<8次:P41 (3.6.5 オイルフォーミング)>が分かり易い。保守管理の出題(問15)からすれば、表の「長期停止後に急激な真空運転をしたとき」(「冷媒による稀釈」も)から読み解くしかないだろう。 正しい文章にしてみましょう。

  オイルフォーミングは、冷媒と冷凍機油が混ざり、冷媒が急激に沸騰して泡立つ現象である。

・長期停止後の急激な真空運転をするとオイルフォーミングをおこし、熱交換器の汚れや、圧縮機の潤滑不良の不具合が発生する。 by echo 答え

【◯】 ぅむ。

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 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(22/01/22)

修正・訂正箇所履歴

【2016/06/12 新設】

  • 見出しが「運転と点検」だったので「保守管理」に修正。(2016/06/19)
  • [Submenu]の「液戻り・液圧縮」の上に変な空白があったので修正。(2018(H30)/08/19)
  • 「オイルフォーミング」を新設した。(2019(H31)/03/16)
  • 文章など見直し。(2019(R1)/08/04)
  • 「潤滑と油の処置」を分割分類した。(2019(R1)/11/26)
  • テキスト8次改訂版(R01(2019)-11月改訂)へ対応、および、文章を見直し。(2020(R02)/07/11)
  • 全般的に見直し、予想問題追加。(2022(R04)/01/22)

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【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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