この頁は『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P70~P71 (6.2.5 水あかの影響)>に関連した問題です。 出題数は、このページの水あかと、次ページの不凝縮ガスが、断然多い。
図は、水あかの付着したローフィンチューブの概略図である。外側のフィンおよび水あかの作図はこれが限界である。イメージ的にとらえてほしい。
良問題を二問置いておきましょう。
テキスト<8次:P70~P71>水あかの影響は、毎年と言ってもよいほど出題されます。年代順に並べてあります。
・水冷凝縮器の冷却管の内面に水あかが付着すると、圧縮機の動力は減少する。 H09/03(冷凍装置の問題)
【×】 凝縮器に水あかが付着すると、凝縮圧力が高くなり圧縮圧力が大きくなって圧縮動力は増加する。
・水冷凝縮器の凝縮圧力が上昇した。この原因として、冷却管内の水あかの付着、不凝縮ガスの滞留などが考えられる。 H10/06
【◯】 凝縮圧力の上昇:水あか、不凝縮ガス、冷却水温度の上昇、負荷の増加など
・水冷凝縮器内に不凝縮ガスが混入すると、冷媒側の熱伝達が不良となって、凝縮圧力が上昇し、不凝縮ガスの分圧相当分以上に凝縮圧力が高くなる。 H15/06
【◯】 その通り。
不凝縮ガスの問題は、このあと【不凝縮ガス】でたくさん出題される。まぁ、ジャブって感じで、ここに入れてあります。
・冷却管の内面に水垢が付着すると、水あかは熱伝導率が小さいので熱通過率の値は大きくなる。 H20/06
【×】 伝導率が小さい大きい、熱通過率が小さい大きい…、勉強していないと分からないかも。
テキスト<8次:P70 (6.2.5 水あかの影響)>の冒頭2行目がズバリかな。正しい文章にしておきましょう。
冷却管の内面に水垢が付着すると、水あかは熱伝導率が小さいので熱通過率の値は小さくなる。
・水冷凝縮器では、冷却水中の汚れや不純物が冷却管内面に水あかとして付着し、水あかの熱伝導率が大きいので、熱通過率の値が大きくなり、凝縮濃度が上昇する。 H21/06
【×】 ほら、水垢の問題はけっこう出るよ。(良問に昇格!この頁の冒頭にコピペしてあります。)正しい文章にしておきましょう。
水冷凝縮器では、冷却水中の汚れや不純物が冷却管内面に水あかとして付着し、水あかの熱伝導率が小さいので、熱通過率の値が小さくなり、凝縮濃度が上昇する。
・冷却管の水あかの熱伝導抵抗を汚れ係数で表し、汚れ係数が大きいほど熱通過率が低下する。 H22/06
【◯】 水あかの熱伝導抵抗は汚れ係数(f)で表される。テキスト<8次:P70 (6.2.5 水あかの影響)>の頭から4行目。
・冷却管の水あかの熱伝導抵抗を汚れ係数で表すと、汚れ係数が大きいほど、熱通過率が低下する。 R02/06
【◯】 10年後の令和になっても、幾千年経っても、水垢と熱通過率の関係は変わりませんね。
・水あかは熱伝導率が大きく、熱の流れを妨げる。その結果、熱通過率が小さくなり、凝縮器能力が減少し、凝縮温度が上昇するので、圧縮機の軸動力は増加する。 H23/06
【×】 水あかは熱伝導率がとっても小さい! テキスト<8次:P58 (表5.1 熱伝導率)>を見てもらいたい。
・水冷凝縮器の冷却管に水あかが付着すると、冷却水流速が大きくなり、熱通過率の値も大きくなる。 H24/06
【×】 水あかの影響は、熱通過率が小さくなる。ので、【×】とすぐわかるが。
水あか付着時の冷却水流速?って?テキストに書いてないんだけど…。垢が溜まれば水の流れは悪くなるよね、冷却水流速は小さくなるのではあるまいか。
まて、口径が小さくなるから流速は大きくなる?
まさか、熱の流れが…云々とか、の問題文間違い?そんなことはないよね…。いずれにしろ、少々違和感ある問題の感あり。24年か…
・水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器の冷却管の内面に水あかが付着すると、水あかは熱伝導率が小さいので、熱通過率の値は大きくなる。 H30/06
【×】 水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器の冷却管の内面に水あかが付着すると、水あかは熱伝導率が小さいので、熱通過率の値は小さくなる。
ですね。
・水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却水中の汚れや不純物が冷却管表面に水あかとなって付着し、水あかの熱伝導率が小さいので、熱通過率の値が小さくなり、凝縮温度が低くなる。 R01/06
【×】 祝!令和、水あか初問題。正しい文章にしましょう。
水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却水中の汚れや不純物が冷却管表面に水あかとなって付着し、水あかの熱伝導率が小さいので、熱通過率の値が小さくなり、凝縮温度が高くなる。
・シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却水中の汚れや不純物が冷却管表面に水あかとなって付着する。水あかは、熱伝導率が小さいので、水冷凝縮器の熱通過率の値が小さくなり、凝縮温度が低くなる。 R04/06
【×】 令和元年と同等文。
シェルアンドチューブ凝縮器では、冷却水中の汚れや不純物が冷却管表面に水あかとなって付着する。水あかは、熱伝導率が小さいので、水冷凝縮器の熱通過率の値が小さくなり、凝縮温度が高くなる。
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『SIによる 初級 冷凍受験テキスト』7次改訂版への見直し、済。(14/07/05)
『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(20/05/31)
【2016/05/22 新設】
水冷凝縮器では、冷却水中の汚れや不純物が冷却管内面に水あかとして付着し、水あかの熱伝導率が小さいので、熱通過率の値が大きくなり、凝縮濃度が上昇する。
水冷凝縮器では、冷却水中の汚れや不純物が冷却管内面に水あかとして付着し、水あかの熱伝導率が小さいので、熱通過率の値が小さくなり、凝縮濃度が上昇する。(2021(R03)/09/23)