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体積効率と冷媒循環量(P29~P30)

 体積効率は、ポツリ、ポツリと屋根からの雨漏りのように出題される。 式とか眺めて意味を把握しておきましょう。『初級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<8次:P29~P30 (3.2.2 体積効率と冷媒循環量)>を一読しましょう。

体積効率について

体積効率を求める式

 前頁で攻略した「ピストン押しのけ量」は、実際の圧縮機ではその量は小さくなる。吸込み蒸気量を実測し理論上とどれだけ違うか、それが体積効率である。加えて、  冷媒循環量   圧力比 等に関連した問題も分類して掲載します。

 この式は、テキスト<8次:P29 (3.2)式>を参照、他にも数式があるが3種冷凍では無理に記憶しなくても良い。ただし、式の意味を理解しておくべき。

体積効率とはP29

・体積効率は、ピストン押しのけ量(m3/s)に対する圧縮機の実際の吸込み蒸気量(m3/s)との比である。 H19/03 答え

【◯】 ぅむ。ηv = qvr/V 式の意味を考えるべし。
 前頁でピストン押しのけ量(V)を勉強した。そして、ここで実際の吸込み蒸気量(qvr)との関係、つまりこの体積効率(ηv)を勉強せねばならない。この後、体積効率は問題にたくさん出てくるのである。

・圧縮機の実際の冷媒吸込み蒸気量は、ピストン押しのけ量と体積効率の積で表される。 H26/03 R02/03積で求められる 他同じ。) 答え

【◯】 この問題はココ。
 qvr = Vηv と、いうことですね。テキスト<8次:P30 (3.4)式 >辺りを読むべし。


圧力比と体積効率P29

・圧縮比(圧力比)が大きくなると、体積効率は小さくなる。  H13/03 答え

【◯】 圧力比(圧縮比)が大きくなると、体積効率は小さくなる。(←丸暗記で良い)

・圧縮機の圧力比は、吸込み蒸気の絶対圧力を吐出しガスの絶対圧力で割った値であるが、この圧力比が大きくなるほど体積効率は小さくなる。 H23/03 答え

【×】 吸い込みと吐き出しが、逆です!! (  圧力比が大きくなるほど体積効率は小さく は、正しい。 )
テキスト<8次:P29 (3.3)式
圧力比 = 吐出しガスの絶対圧力 / 吸込み蒸気の絶対圧力


圧力比とすきま容積と体積効率P29

 「初級 テキスト」<8次:P29 「3.2.2 体積効率と冷媒循環量」>

 「すきま容積(クリアランスボリューム)」と「すきま容積比」の問題を分類しました。(2023(R05)/11/24)


すきま容積(クリアランスボリューム)

 「すきま容積」は「クリアランスボリューム」と言います。テキスト<8次:P29 「3.2.2 体積効率と冷媒循環量」表題から6行目>

・圧縮機の実際の冷媒吸込み蒸気量には、シリンダ上部のすきま容積の大きさは関係しない。 H26/03 答え

【×】 そんなこたぁ、ないでしょ。と、思う問題。テキスト<8次:P29 「3.2.2 体積効率と冷媒循環量」表題から (3.2)式まで>辺りで読み解くしかないでしょう。

・往復圧縮機が、冷媒蒸気をシリンダに吸い込んで圧縮した後、シリンダ内から吐き出す量は、実際にはピストン押しのけ量よりも小さくなる。その理由の1つは、クリアランスボリューム内の圧縮ガスの再膨張である。 R05/03 答え

【◯】 「クリアランスボリューム」語句、初登場。
 テキスト<8次:P29 「3.2.2 体積効率と冷媒循環量」表題下の2行>この理由は(3行目~)・・・、面倒なので略。なんとなくそんな感じがするよね。


すきま容積比

・圧縮機の体積効率は圧縮比が大きくなるほど小さくなるが、シリンダのすきま容積比が小さくなるほど、体積効率は小さくなる。 H11/03 答え

【×】 テキスト<8次:P29 (3.2)式 >下辺りを読んでね。正しい文章は、

「圧縮機の体積効率は圧縮比が大きくなるほど小さくなるが、シリンダのすきま容積比が小さくなるほど、体積効率は大きくなる。」

          実際の吸込み蒸気量(qvr
体積効率ηv=───────────────────
          ピストン押しのけ量(V)

  ・理論上は1、実際は1より[小さい]。
  ・圧縮比が大きくなると[小さく]なる。
  ・回転数が増加すると[小さく]なる。
  ・シリンダのすきま容積比が小さくなるほど体積効率は大きくなる。

・圧縮機の体積効率の値は圧力比の大きさ、圧縮機の構造によって異なり、圧力比とシリンダのすき間容積比が大きくなるほど、体積効率は小さくなる。 H14/03 答え

【◯】 ぅむ。 H11年度と「大きく」「小さく」が逆なので、惑わされないように。→シリンダの隙間容積比が小さくなるほど体積効率は大きくなる。

・往復圧縮機のシリンダのすきま容積比が小さくなると、体積効率は大きくなる。 H17/03 答え

【◯】 他の問題も同様、大きい小さいとか巧みに攻められてくるから、良く問題を読んでね。うっかり…、健闘を祈る。

・往復圧縮機の体積効率の値は、圧縮機の構造、運転の圧力比の大きさなどによって異なり、圧力比とシリンダのすきま容積比が大きくなるほど体積効率が大きくなる。 H22/03 答え

【×】体積効率は小さくなる。
 --どうかな、ここまで過去問こなせば「体積効率」は、大丈V!


体積効率と冷媒循環量P30

 テキスト<8次:P30>だね。

・圧縮機の体積効率の値が小さくなると、冷媒循環量は増加する。 H16/05 答え

【×】 qmr=V・ηv/v である(テキスト<8次:P30 (3.5)式 >)から、体積効率(ηv)が小さくなると、冷媒循環量qmr減少する。

・圧縮機の体積効率が小さくなると冷媒循環量は減少する。 H24/05

・運転条件が同じであれば、圧縮機の体積効率が小さくなるほど冷媒循環量は減少する。 R02/05 答え

【両方 ◯】 ぅむ、正解。

・冷媒循環量は、往復圧縮機のピストン押しのけ量、圧縮機の吸込み蒸気の比体積および体積効率の大きさにより決まり、吸込み蒸気の比体積が大きいほど小さくなる。 H25/03 答え

【◯】 テキスト的には<8次:P30 (3.5)式 >だね。3冷にしては少々難かも…。
 qmr = V・ηv / v (2種冷凍から必須の式です。)
  qmr : 冷媒循環量
  V : ピストン押しのけ量
  ηv : 体積効率
  v : 比体積

・冷媒循環量を圧縮機のピストン押しのけ量から求めるときは、圧縮機の吸込み蒸気の密度(または比体積)と体積効率が必要である。 H27/03 答え

【◯】 ぅむ。
 qmr = V・ηv / v
  qmr : 冷媒循環量
  V : ピストン押しのけ量
  ηv : 体積効率
  v : 比体積

・冷媒循環量は、ピストン押しのけ量、圧縮機の吸込み蒸気の比体積および体積効率との積である。 H28/03 答え

【×】 この文章だと、  qmr=V・ηv・v となる。
 正しくは、
  冷媒循環量は、ピストン押しのけ量と圧縮機の体積効率の積を、吸込み蒸気の比体積で除したものである。

 テキスト<8次:P30 (3.5)式
 qmr = V・ηv / v (2種冷凍から必須の式です。)
  qmr : 冷媒循環量
  V : ピストン押しのけ量
  ηv : 体積効率
  v : 比体積

・冷凍装置の冷凍能力は、圧縮機の圧縮比によって変わる。 H10/05 答え

【◯】 古い問題だがココに置く。
 圧縮比が大きくなると、体積効率が小さくなって冷媒循環量が減少し冷凍能力は小さくなる。

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 『SIによる 初級 冷凍受験テキスト』7次改訂版への見直し、済。(14/06/28)
 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(20/05/17)

修正・訂正箇所履歴

【2016/05/14 新設】

  • ページ内リンクの「おまけ」を「ガス漏れと体積効率」に変更。(2017(H29)/02/04)
  • 問題文及び解説見直し。 (2019(R1)/07/07)
  • 主見出し「体積効率」→「体積効率と冷媒循環量」に変更。(2020(R02)/05/17)
  • テキスト8次改訂版(R01(2019)-11月改訂)へ対応、および、文章を見直し。(2020(R02)/05/19)
  • 「圧縮機(圧力比)」→「圧縮比(圧力比)」に訂正。(2020(R02)/10/03)
  • 解説文などの見直し。(2021(R03)/12/05)
  • 解説文などの見直し。(2023(R05)/02/17)
  • 「すきま容積(クリアランスボリューム)」と「すきま容積比」の分類追加。(2023(R05)/02/17)

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【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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