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【冷凍サイクルとp-h線図】・絞り膨張作用(P16~P17)

 絞り膨張作用について、p-線図で冷凍サイクル内の動作や冷媒の状態把握しましょう。忘れた頃に、ポツリポツリと出題されてます。(テキストは<8次:P16>)

(動作や不具合などの問題は「自動制御機器」(問8辺り)で嫌になるほど出題されます。)

絞り膨張作用のp-h線図と冷凍サイクル図

p-h線図は点3から点4へ

 凝縮器で過冷却された圧力Pk(点3)の冷媒液は、膨張弁を通り絞り膨張作用により低圧Po(点4)になります。

 よって、h3=h4であり、3→4は垂直な直線となります。

絞り膨張作用のp-h線図

絞り膨張について理解しましょう。

 この時の冷媒液は熱の出入りがない。理論冷凍サイクルの場合は、まったく仕事をしない。

 なので、冷媒自身が保有するエネルギーはまったく失うことなく、比エンタルピーhは一定のままの状態で低圧になる。

 以上の作用のことを、絞り膨張作用という。

 膨張弁における膨張過程では、冷媒液の一部が自己蒸発による潜熱で蒸発することにより、膨張後の蒸発圧力に対応した蒸発温度まで冷媒自身の温度が下がる。


絞り膨張(P16)

・膨張弁では、冷媒は比エンタルピーが一定の絞り膨張によって圧力降下する。 H10/01 答え

【◯】 その通り!20年以上も前の問題であるが大事な基礎なので永久的掲載となるだろう。(2020(R02)/04/19記ス) テキスト<8次:P16 7行目~>

・膨張弁では、外部から冷媒への熱の出入りはない。 H14/01 答え

【◯】 ぅむ。これも永久保存的一文。大事な基礎です。テキスト<8次:P16 7行目~>

・冷媒液が膨張弁を通るとき、外部との熱の出入りはなく、また、外部に仕事も行わないので、冷媒の比エンタルピー値は変わらない。 H16/01 答え

【◯】 はい、熱の出入りもなく仕事もしませんよ。この問題(文章)は、記憶しちゃいましょう。テキスト<8次:P16 7行目~>

・高圧の冷媒液が膨張弁を通過するとき、弁の絞り抵抗により圧力は下がるが、比エンタルピーが一定で状態変化する。これを絞り膨張と呼んでいる。 H17/01 答え

【◯】 ぅむ。冷凍サイクル図やp-h線図がイメージできているかな。
絞り膨張作用のp-h線図と冷凍サイクル図 絞り膨張作用のp-h線図

・過冷却液が受液器出口から膨張弁を経て蒸発器入口に絞り膨張するとき、冷媒の比エンタルピーの値は変化しない。 H18/02 答え

【◯】 勉強していれば楽勝のはずだ、あなたにとってはサービス問題。軽く、絶対ゲットしよう。テキスト<8次:P16 9行目>

・高圧の冷媒液が膨張弁を通過するとき、比エンタルピーが一定で状態変化する。これを絞り膨張という。 H19/01 答え

【◯】 テキスト<8次:P16 11~14行>大事な絞り膨張の定義。18年度に続いて美味しい問題です。テキスト読んで過去問をこなしていれば楽勝の問題です。

・冷媒液が圧力降下するときに、液の一部が自己蒸発する際の潜熱によって、冷媒自身の温度が下がる。 H20/02 答え

【◯】 テキスト<8次:P16 15~17行>を読んで頂きたい。2冷や1冷の試験にまでも登場するこの一文は重要なもので、絞り膨張の時の冷媒自身の変化を表している。
 この一文を記憶しておいても損はない。(潜熱 → 物体の状態が変化する場合に必要な熱量)3´から4まで自己蒸発する潜熱で、冷媒自身の温度が下がる。

・蒸発器に入る冷媒の状態は、低温の冷媒液だけとなっている。 H15/01 答え

【×】 ぅ~ん、イメージが出来上がっていればいいのだけども、テキストは<8次:P16の15行目> 点4の蒸発器入口は湿り蒸気の状態であり、 と記されている。 p-h線図を見ると、蒸発器に入る冷媒点4は「飽和液線」より内側(右側)にあるので、液と蒸気が混ざった「湿り蒸気」の状態です。

p-h線図と冷凍サイクル 健闘を祈る!

・膨張弁における膨張過程では、冷媒液の一部が蒸発することにより、膨張後の蒸発圧力に対応した蒸発温度まで冷媒自身の温度が下がる。 H25/01 R01/01 答え

【◯】 過冷却液の膨張弁通過経緯はテキストでは詳細に書かれている。この設問内容も記されている。テキスト<8次:P16 15~17行>です。液一部の自己蒸発による潜熱で冷媒液の温度が下がります。

・膨張弁は、過冷却となった冷媒液を絞り膨張させることで、蒸発圧力まで冷媒の圧力を下げる。このとき、冷媒は周囲との間で、熱と仕事の授受を行うことで冷媒自身の温度が下がる。 R04/01 答え

【×】 正しい文章にしてみましょう。

膨張弁は、過冷却となった冷媒液を絞り膨張させることで、蒸発圧力まで冷媒の圧力を下げる。このとき、冷媒は周囲との間で、熱と仕事の授受がない。冷媒液が圧力降下するとき、液の一部が自己蒸発する際に潜熱により冷媒自身の温度が下がる。


温度自動膨張弁の過熱度制御(P17)

 温度自動膨張弁の過熱度制御について<8次:P17>からの出題です。

・温度自動膨張弁は冷凍負荷の増減に応じて、自動的に冷媒流量を調節し、蒸発器出口過熱度が0K(ゼロケルビン)になるように制御する。 H28/02 答え

【×】 0Kではなくて、3~8Kですね。テキスト<8次:P17 7行目>です。

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 『SIによる 初級 冷凍受験テキスト』7次改訂版への見直し、済。(14/05/20)
 『初級 冷凍受験テキスト』8次改訂版への見直し、済。(20/04/17)

修正・訂正箇所履歴

【2016/05/05 新設】

  • テキスト8次改訂版(R01(2019)-11月改訂)へ対応、および、図の追加、文章を見直し。(2020(R02)/04/26)
  • 該当ページの表記が違っているものを訂正。(複数)(2021(R03)/11/28)
  • 問題の分類、解説文見直し。(2021(R03)/11/28)

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【参考文献】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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