フィンコイル蒸発器の性能に及ぼす過熱部の影響 P239~P240(P228~P229)

 この頁は、『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P239~P240(P228~P229) (17.5 フィンコイル蒸発器の性能に及ぼす過熱部の影響)>からの出題になります。

 過去問はわりと多いです。ポツリポツリと出題されます、油断なさらぬように。長い解説など、必要なければ読み飛ばしてください。

テキスト9次改訂版について

 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。

17.5 フィンコイル蒸発器の性能に及ぼす過熱部の影響 P239

過熱の制御

 まずは、過熱の制御についての問題から(この問題は、1問しか見つからない。そのうち...(2017(H29)/03/18記ス))

・温度自動膨張弁を使用するフィンコイル冷却器では、感温筒取付け部の冷媒蒸気出口管の管内蒸気を数 K 過熱した状態になるように制御する。 H22学/07 答え

【◯】 テキスト<9次:P239左下 (17.5 フィン…)>冒頭部分にズバリ的。

・フインコイル乾式蒸発器に使用する温度自動膨張弁は、感温筒取付け部の冷媒蒸気出口管の管内冷媒蒸気を数 K(ケルビン)過熱した状態になるように制御する。 H29学/07 答え

【◯】 ぉ~、29年度に出題された。(ケルビン)なんてフリガナまで記された慈しみ深い問題文であります。

・温度自動膨張弁を使用するフィンコイル乾式蒸発器では、蒸発器出口の感温筒取付け部の管内冷媒蒸気を数 K(ケルビン)過熱した状態になるように冷媒液量を制御する。 R01学/07 答え

【◯】 令和になっても  K(ケルビン) 、ぉ優しいこと。:)


並流(平行流)と向流(コウリュウ)について

 「向流」の読みは、「こうりゅう」です。:)

  • 過熱について並流(平行流)と向流に係る問題である。
  • 「学識」問7(熱交換器)で出題され、テキスト的には(保安編)<9次:P239~240>である。(学識で出題される理由は不明)
  • テキスト(学識編)<9次:P104右上>では、「向流(対向流)」のみ。( ← たいがい「学識」問6(蒸発器)から出題される)

並流の図 向流の図

 冷媒の流れる矢印の方向と、空気の流れる方向を見ると、向流(対向流)と並流(平行流)のイメージが湧いてくるかなと思います。


冷却器管路過熱領域の伝熱作用の説明概略図
冷却器管路過熱領域の伝熱作用の説明概略図

・温度自動膨張弁を使用するフィンコイル冷却器あるいはユニットクーラでは、空気を蒸発器の冷媒入口側から吹き込む並流(平行流)とするのがよい。
 H13学/07 答え

【×】 正しい文章にしてみましょう。テキスト<9次:P239右下 9行>

 温度自動膨張弁を使用するフィンコイル冷却器あるいはユニットクーラでは、空気を蒸発器の冷媒出口側から吹き込む向流とするのがよい。

 温度自動膨張弁を使用するフィンコイル冷却器あるいはユニットクーラでは、過熱部(蒸発器出口側)では熱伝達率が蒸発部分に比べ小さくなる。 なので、空気を蒸発器出口側から先に吹き込むようにする向流とすると、過熱に必要な管長を小さくできる。(冷却に不要な管を短くできる)

・温度自動膨張弁を使用するユニットクーラーでは、蒸発器の冷媒出口側から空気を吹き込む向流とするのがよい。 H14学/07 答え

【◯】 ぅむ。テキスト<9次:P239右下 9行> 並流(平行流)よりも、蒸発器の過熱部を短くできる。

・フィンコイル蒸発器は、冷却にあまり寄与しない過熱部の伝熱管長をできるだけ短くすることが望ましい。 H17学/07 答え

【◯】 ぅ~む、勉強してなくとも【◯】にしたくなる問題。
  寄与しない過熱部 云々は、テキスト<9次:P239右 下から12行目~>に記されている。

・温度自動膨張弁を使用するフィンコイル冷却器、あるいはユニットクーラでは、冷却器の冷媒出口側から冷却しようとする空気を吹き込む向流(対向流ともいう)方式よりも空気を冷却器の冷媒入口側から吹き込む並流方式にするのがよい。 H18学/07 答え

【×】 向流のほうが良い。<解説略>

・フィンコイル蒸発器は、冷却にあまり寄与しない過熱部の伝熱管長をできるだけ短くするために、蒸発器の冷媒出口側に冷却しようとする空気を吹き込むことが望ましい。 H19学/07  答え

【◯】 「寄与しない」みたいな独特な言い方・・、一度でも読んでいれば、なんとなく分かるかも。
 寄与しない過熱部云々は、テキスト<9次:P239右 下から12行目>に記されている。

・フィンコイル蒸発器は、冷却にあまり寄与しない過熱部の伝熱管長を短くするために、蒸発器の冷媒出口側に冷却しようとする空気を吹き込むようにし、冷媒と空気とを並流方式にするのが望ましい。 H25学/07 答え

【×】 向流のほうが良い。 解説略。

・フインコイル乾式蒸発器では、空気を蒸発器の冷媒入口側から吹き込む向流方式にすると、冷却にあまり寄与しない過熱部の管長が短くなる。 H27学/07 答え

【×】 はい。「冷媒出口側から吹き込む向流方式」です。

・フィンコイル乾式蒸発器では、空気を蒸発器の冷媒入口側から吹き込む並流方式にすると、過熱部での冷媒と空気との平均温度差が向流方式の場合よりも小さくなって、伝熱性能上不利であり、過熱部の管長が長くなる。 R03学/07 答え

【◯】 そうですね、「並流」にすると不利です。

・一般に、フィンコイル乾式蒸発器では、空気を蒸発器の冷媒入口側から吹き込む並流方式にすると、向流方式と比較して、冷却にあまり寄与しない過熱部の管長が短くなる。 R04学/07 答え

【×】 ぅむ。

一般に、フィンコイル乾式蒸発器では、空気を蒸発器の冷媒入口側から吹き込む並流方式にすると、向流方式と比較して、冷却にあまり寄与しない過熱部の管長が長くなる。

 17/03/16 18/01/04 22/04/10 23/10/14

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修正・訂正箇所履歴

【2017/03/16 新設】(← 履歴をここに作った日

  • 図を追加、全体的に見直し。(2022(R04)/04/10)
  • 『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応(23(R05)/10/14)
  • 予想問題の追加、文章見直し(23(R05)/10/14)

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【参考文献・リンク】

  • 初級 受検テキスト(SIによる初級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 上級 受検テキスト(SIによる上級受検テキスト):日本冷凍空調学会
  • 冷凍機械責任者(1・2・3冷)試験問題と解答例(13):日本冷凍空調学会
  • 第3種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院
  • 第1・2種冷凍機械責任者試験模範解答集 :電気書院

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