冷媒循環量の不足の原因、満液式蒸発器・乾式シェルアンドチューブ蒸発器・空気冷却器の熱通過率の比較と低下の原因など、例題では低圧圧力の原因がテキストには、淡々と、いや粛々と記されている。この問題も基礎力がないと難問でしょう。粛々と解きましょう。
『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。
・液管にフラッシュガスが発生すると、蒸発器への冷媒供給量が不足し、蒸発温度が低下する。 H18保/03
【◯】 テキストを一度読んでいれば、なんとなく分かる問題。
テキスト<9次:P221 15.3.3 負荷に見合った冷媒循環量の確保 の(C)>と、P222(例題15.7)の (1)-(c) を、合わせて読めば完璧でしょう。
・蒸発器への冷媒循環量が適正に確保できない原因として、冷媒充てん量の不足、膨張弁容量の過小、液管でのフラッシュガスの発生、圧縮機の吐出し弁または吸込み弁の作動不良などが考えられる。 H22保/03
【◯】 適正な冷媒循環量の確保ついては、テキスト<9次:P221左~右 15.3.3 負荷に見合った冷媒循環量の確保>の(a)~(c)だ!
─ 注) ─
適切な冷媒循環量確保できない原因が、テキスト7次改訂版までは(a)~(d)と記されている。8次改訂版では、(d)圧縮機の吐出し弁または吸込弁が不良
が削除されている。
理由は...疲れたし面倒なので調べない。あしからず。
・冷媒循環量の不足は、冷媒の充てん量の不足や液管におけるフラッシュガスの発生などのほか、圧縮機の吸込み弁の不良によっても発生する。 H25保/03
【◯】 この「圧縮機の吸込み弁の不良によっても発生する」と同等なものは出題されないだろう。理由は上記の解説のとおり。
・乾式蒸発器への冷媒循環量が不足して、適切な運転状態が確保できない原因としては、冷媒の充填量の不足や冷媒液配管内でのフラッシュガスの発生のほかに、膨張弁の容量不足などがある。また、フルオロカーボン冷凍装置では、冷媒に水分が混入した場合の膨張弁での氷結などがある。 R05保/03
【◯】 ぅむ。 テキスト<9次:P221右上 (a)~(c)。また、P222左 (1)の(d)などがある。>
・乾式シェルアンドチューブ水冷却器における熱通過率低下の要因として、水側への水あかの付着、水流量の低下、冷媒側伝熱面への油膜形成、不凝縮ガスの滞留などが考えられる。 H20保/03
【×】 テキスト<9次:P221右 (1)熱通過率の保持>を読んでおけば、サービス問題である。
ではなく、引っ掛け問題か!
冷却器(蒸発器)は、不凝縮ガスは発生しない。該当の「(1)熱通過率の保持」には一言も記されていない。(汗
・熱通過率が低下する原因として、水冷却器における水あかの付着、空気冷却器における霜の付着や前面風速の減少、蒸発器内の油の滞留などが挙げられる。(低圧部保守管理について) H25保/03
【◯】 テキストを端的にまとめた良い問題です。
・一般的に、乾式シェルアンドチューブ水冷却器における熱通過率を低下させる主な要因は、冷却管内の水側では水あかの付着などがある。また、冷却管外の冷媒側では、冷却管表面への油膜の形成などがある。 H29保/03
・乾式シェルアンドチューブ蒸発器における熱通過率を低下させる要因には、冷却管内のブライン側では、水あかの付着などがある。また、冷却管外の冷媒側では、冷却管表面への油膜の形成などがある。 R03保/03
【×】 「乾式シェルアンドチューブ水冷却器」を把握してないと困惑するかも…。3冷で使用している図を挿入しておきます。
正しい文章にしてみましょう。(令和3年度も記しましょう。)
一般的に、乾式シェルアンドチューブ水冷却器における熱通過率を低下させる主な要因は、冷却管外の水側では水あかの付着などがある。また、冷却管内の冷媒側では、冷却管表面への油膜の形成などがある。
H29保/03
乾式シェルアンドチューブ蒸発器における熱通過率を低下させる要因には、冷却管外のブライン側では、水あかの付着などがある。また、冷却管内の冷媒側では、冷却管表面への油膜の形成などがある。 R03保/03
・空気冷却器に厚く着霜すると、空気側の熱伝導抵抗が大きくなり、熱通過率が低下し、蒸発圧力も低下するので冷凍能力は減少する。 H21保/03
【◯】 ぅむ。テキスト<9次:P221右 (2) 霜付きの影響>
題目に ちょっと
と付けてみた。以下の問は、前ページの「蒸発温度低下の原因」にも組み込むこともできるが、「霜と熱通過率」について問うているのでココに置く
・蒸発温度低下の原因は、冷媒供給量の不足、蒸発器の霜付き、送風量の減少、冷媒に油が多量に溶解した場合などが考えられる。霜付きによる熱伝導抵抗の増大、送風量の減少による熱伝達率の低下によって熱通過率が大きくなり、蒸発温度が低下する。 H22保/03
【×】 ぅ~ん、正しい文章は、
蒸発温度低下の原因は、冷媒供給量の不足、蒸発器の霜付き、送風量の減少、冷媒に油が多量に溶解した場合などが考えられる。霜付きによる熱伝導抵抗の増大、送風量の減少による熱伝達率の低下によって熱通過率が大きく低下し、蒸発温度が低下する。
・蒸発温度の低下の原因として、蒸発器への冷媒供給量不足、蒸発器内の大量な油の残留などがある。蒸発器に霜が付くと、風の通過面積は狭くなり、その結果風速が上がり、熱通過率は改善される。多量の霜付きにより送風量の低下はあるが、霜による蒸発温度の低下はない。 H27保/03
【×】 テキスト<9次:P221右~ (2) 霜付きの影響と、(例題15.7)の(2)-(a)、(3)-(b)>をミックスされた問題文。 正しい文章に直してみましょう。
蒸発温度の低下の原因として、蒸発器への冷媒供給量不足、蒸発器内の大量な油の残留などがある。蒸発器に霜が付くと、風の通過面積は狭くなり、その結果風速が上がり、熱通過率は大きく低下する。
多量の霜付きにより送風量の低下はあるが、霜による熱伝達が悪くなり蒸発温度は低下する。
・蒸発温度低下の原因は、冷媒供給量の不足、蒸発器の霜付き、蒸発器への送風量の減少、冷媒に冷凍機油が多量に溶解することなどが考えられる。蒸発器に霜が厚く付いた場合の蒸発温度低下の原因は、熱伝導抵抗の増大、蒸発器への送風量の減少などによって熱通過率が大きくなるためである。 R01保/03
【×】 さて、蒸発温度低下の原因は、 不足
霜
風
油
抵抗
風量
通過率
、過去問をこなしていればどれが間違いかすぐわかるでしょう。
蒸発温度低下の原因は、冷媒供給量の不足、蒸発器の霜付き、蒸発器への送風量の減少、冷媒に冷凍機油が多量に溶解することなどが考えられる。蒸発器に霜が厚く付いた場合の蒸発温度低下の原因は、熱伝導抵抗の増大、蒸発器への送風量の減少などによって熱通過率が小さくなるためである。
・蒸発温度低下の原因の1つが、蒸発器への霜付きである。霜付きによる熱伝導抵抗の増大および送風量の減少による熱伝達率の低下によって蒸発器の熱通過率が大きくなり、蒸発温度が低下する。 R02保/03
【×】 楽勝ですよね。 蒸発器の熱通過率が小さくなり
テキスト<9次:P221右 (2) 霜付きの影響>の冒頭。
この例題かかる問いは、低圧圧力低下の原因を一気にまとめて問われます。
(ある意味1冷レベルの「例題」です。1冷「保安」は平成16年度以前は、全5問で100点の記述式でした。出題されるかわからないこの解答内容をも、すべて覚え記述できることが必須でした。)
・乾式蒸発器で各冷却管への液分配が均等でないときやストレーナに目詰まりがあると、冷媒循環量が不足し、蒸発温度が低下するので、吸込み蒸気の比体積が小さくなり、冷凍能力が減少する。 H21保/03
【×】 比体積が大きくなる。テキスト<9次:P222左 例題15.7(解)(1),(a)>ここから結構出る。
比体積に関しては<9次:P221左上 (2) 蒸発温度と冷凍能力>の冒頭部分を読んで。(比体積のイメージが分かり易い)
・液管のストレーナに目詰まりがあると、蒸発器への冷媒供給量が不足して蒸発圧力が低くなり、圧縮機吸込み蒸気の比体積が大きくなる。 H17保/03
【◯】 ぅむ。テキスト<9次:P222左 例題15.7(解)(1),(a)>
・冷凍装置内に水分が混入して膨張弁で氷結すると、蒸発器での冷媒循環量が減少し、蒸発圧力が高くなり、圧縮機吸込み蒸気の比体積が小さくなる。 H24保/03
【×】 蒸発圧力が低くなり、比体積が大きくなる。ぅむ。
テキスト<9次:P222左 例題15.7(解)(1),(d)>
・乾式蒸発器への冷媒循環量が不足して、適切な運転状態が確保できない原因としては、冷媒の充てん量の不足や液管内でのフラッシュガスの発生のほかに、膨張弁でのごみの詰まりなどがある。また、フルオロカーボン冷凍装置では、冷媒に水分が混入した場合の膨張弁での氷結がある。 H29保/03
【◯】 素直で素敵 ❤❤ な問題ですね!
・冷媒充てん量が不足していると、高圧液配管内のフラッシュガス発生などによる、冷却不良や蒸発圧力の異常低下などの種々の不具合が起こる。 H30保/03
【◯】 はい。テキスト<9次:P222左 例題15.7(解)(1),(C)>だね。
・冷凍装置内に水分が混入して膨張弁で氷結すると、蒸発器での冷媒循環量が減少し、蒸発圧力が高くなる。 H30保/03
【×】 テキスト<9次:P222左 例題15.7 (解)(1),(d)>だね。正しい文章にしておきましょう。
冷凍装置内に水分が混入して膨張弁で氷結すると、蒸発器での冷媒循環量が減少し、蒸発圧力が低くなる。
・冷媒循環量の不足は、冷媒の充てん量の不足や液管におけるフラッシュガスの発生のほか、膨張弁の容量不足によっても発生する。 R01保/03
【◯】 テキスト<9次:P222左 例題15.7 (解)(1),(C)> 膨張弁の容量不足によっても
は、テキストのどこにあるかちょと不明。忙しいのでこれで終了。あしからず。
・冷凍装置内に水分が混入して膨張弁で氷結すると、蒸発器への冷媒循環量が減少し、圧縮機吸込み蒸気の比体積も小さくなる。 R06保/03
【×】 テキスト<9次:P222左 例題15.7 (解)(1),(d)>
「冷凍装置内に水分が混入して膨張弁で氷結すると、蒸発器への冷媒循環量が減少し、圧縮機吸込み蒸気の比体積が大きくなる。」
・フィンコイル乾式蒸発器では、冷媒供給量の不足、蒸発器への霜付き、送風量の減少、冷媒への多量な油の溶解などによって熱通過率が大きくなり、蒸発温度が低下する。 H30保/03
【×】 テキスト<9次:P222左 例題15.7(解)(2),(C)>正しい文章にしておきましょう。
フィンコイル乾式蒸発器では、冷媒供給量の不足、蒸発器への霜付き、送風量の減少、冷媒への多量な油の溶解などによって熱通過率が小さくなり、(低下し、)蒸発温度が低下する。
・空気冷却器での冷媒側の圧力低下の原因には、空気冷却器の汚れや着霜による熱通過率の低下、腐食による空気冷却器フィンの脱落などがある。 R03保/03
【◯】 これは、(a)~(d) まで、もれなく盛り込んだ良い文章ですね!
空気冷却器での冷媒側の圧力低下の原因には、空気冷却器の汚れ(b)や着霜(a)による熱通過率の低下(c)、腐食による空気冷却器フィンの脱落(d)などがある。
見当たらない。予想問題 by echo を追加。
・強制通風冷却器において低圧圧力が低下した。この原因の一つとして蒸発器への着霜のため、蒸発器への風量の減少とともに蒸発器冷却能力が減少したことにより、蒸発器への供給冷媒量が減少したためである。 by echo
【◯】 テキスト<9次:P222左 例題15.7(解)(3),(b)>、他に「(a)送風機故障、(c)空気の汚れ、(d)空気吸込口が収容物で塞がれた」がある。
見当たらない。予想問題 by echo を追加。(令和6年度出題ㇲ)
・強制通風冷却器において低圧圧力が低下した。この原因の一つとして、蒸発器の熱負荷が減少し庫内温度が低下したためである。 by echo
【◯】 庫内温度低下とともに圧力も低下します。テキスト<P222左(4)>
・冬季に、冷却塔からの凝縮器冷却水温が低くなり、そのまま冷却水量を調節しないと、凝縮温度が大きく低下する。その結果、膨張弁前後の圧力差が小さくなり、膨張弁の容量不足を起こすことがある。 R06保/03
【◯】 テキスト<P222左下(5)~右上>
20/01/03 20/11/21 22/03/05 23/12/10 24/11/28
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