『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:15章の「15.2 高圧部の保守管理 P211~P219(P200~P210)>」を、目次にそって過去問題を分類(submenu 参照)してあります。
ここでは、「不凝縮ガスの影響と保守 P211~P212(P201右~P202右)」についての問題です。
不凝縮ガスが溜まる原因とその影響を把握しましょう。水冷凝縮器内に不凝縮ガスが存在するかしないか(有無識別)の方法も理解しましょう。
『上級 受検テキスト:日本冷凍空調学会』9次改訂版(令和4年11月8日改訂)に対応しています。適当に、8次改訂版のページを( )内に残してあります。
・不凝縮ガスとは、蒸発器内で蒸発しないで器内に残留するガスで一般に空気である。 by echo
【×】 ぅむ。 テキスト<9次:P211左 (1)不凝縮ガス>の冒頭。
不凝縮ガスとは、凝縮器内で凝縮しないで器内に残留するガスで一般に空気である。
テキストには(a)~(e)まで原因が記されているが、過去問が見当たらないので予想問題(by echo)を置いておきます。
・冷凍機装置内に不凝縮ガスが混入する原因として、高い吐出しガス温度、冷媒設備内への空気の侵入などで冷媒や冷凍機油が分解して不凝縮ガスが生成された。 by echo
【×】 ぅむむ。 テキスト<9次:P211 (c)>
冷凍機装置内に不凝縮ガスが溜まる原因として、高い吐出しガス温度、冷媒設備内への水分の侵入などで冷媒や冷凍機油が分解して不凝縮ガスが生成された。
・冷凍機装置内に不凝縮ガスが侵入する原因として、大気圧以下で吸込み蒸気圧力が運転されているときに、低圧部に漏れがあり空気が冷凍装置内に吸い込まれた。 by echo
【◯】 ぅむ。 テキスト<9次:P211 (d)>
不凝縮ガスの過去問題はココ(問2)と、熱交換器(問7)に出題される。
問7では、テキスト「伝熱作用に及ぼす不凝縮ガスの影響<9次:P237~P238>から出題される。→ 過去問ページへ」
・冷凍装置を運転中に装置内に空気が侵入しても、侵入した空気は凝縮器内に滞留するので、圧縮機の体積効率や断熱効率は変わらない。 H13保/02
【×】 空気は不凝縮ガスである、凝縮しないため凝縮器内に滞留し凝縮圧力が上昇するため、圧縮機の圧力比が大きくなって体積効率や断熱効率は低下する。 テキスト<9次:P211右 真ん中下>
・冷凍装置内に不凝縮ガスが混入すると、不凝縮ガスのほとんどが水冷凝縮器に滞留する。 H15保/02
【◯】 不凝縮ガスは凝縮器内で液化しないため滞留してしまう。 テキスト<9次:P211右 真ん中下>
・水冷凝縮器に不凝縮ガスが混入して滞留すると、凝縮圧力は高くなるが、熱通過率は変わらない。 H14保/02
【×】 不凝縮ガスとは、ほとんどが空気である。不凝縮ガスがたまると、凝縮時に蒸気(冷媒)が放出する熱が冷却水に伝わりにくくなる。すなわち、冷媒側の 熱伝達率が小さくなり、結果として冷却管の熱通過率も小さくなってしまう。 テキスト<9次:P211右 真ん中下>
・凝縮器内の不凝縮ガス濃度が高くなると、冷媒側の熱伝達抵抗が減少し、成績係数は大きくなる。 H16保/02
【×】 熱伝達抵抗は大きくなる→熱通過率小さくなる→凝縮温度・圧力増大→圧縮機圧力比増大→圧縮機電動機消費電力増加・冷凍能力減少→成績係数小さくなる。 テキスト<9次:P211右 真ん中下>
・凝縮器内に空気が侵入すると、器内圧力は上昇するが、装置の成績係数は変わらない。 H17保/02
【×】 空気は不凝縮ガスである。器内圧力上昇はOK。
不凝縮ガスがたまる→冷媒側熱伝達率小さくなる→冷却管熱通過率小さくなる→凝縮温度高くなる→凝縮圧力上昇(上昇温度相当分の圧力+不凝縮ガス分圧相当分圧力)
→電動機消費電力増大→冷凍能力低下→成績係数低下
・不凝縮ガスが冷媒に混入したまま冷凍装置を運転し、不凝縮ガスが凝縮器に溜まると、吐出しガスの圧力と温度が上昇し、圧縮機用電動機の消費電力が増大し、冷凍能力と成績係数が低下する。 H25保/02
・不凝縮ガスが混入したまま冷凍装置を運転すると、吐出しガスの圧力と温度が高くなり、圧縮機用電動機の消費電力が増大し、冷凍能力と成績係数が低下する。 R06保/02
【両方 ◯】 素直な良い問題です。 テキスト<9次:P211右 真ん中下>
・不凝縮ガスが冷媒に混入したまま冷凍装置を運転し、不凝縮ガスが凝縮器にたまると、熱伝達抵抗が増し、冷却管の冷媒側の熱伝達率が小さくなって、凝縮器内圧力は低くなる。H30保/02
【×】 ぅむ。 テキスト<9次:P211右 真ん中辺り>
不凝縮ガスが冷媒に混入したまま冷凍装置を運転し、不凝縮ガスが凝縮器にたまると、熱伝達抵抗が増し、冷却管の冷媒側の熱伝達率が小さくなって、凝縮器内圧力は高くなる。
忘れた頃に出題されるので注意したい。テキスト<9次:P211右下 (3) 装置内の不凝縮ガスの有無識別>
・運転している圧縮機を停止させ、水冷凝縮器の冷媒出入り口弁を閉止し、冷却水の通水を続けたときに、凝縮器内の冷媒圧力が冷却水温に相当する冷媒の飽和圧力よりも高いときには、不凝縮ガスが存在している可能性がある。 H23保/02
【◯】 これはテキスト読んで覚えるしかないか。ま、理屈がわかればいいんだろうけども。
・水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器内に不凝縮ガスが存在するか否かを確認するために、圧縮機を停止して、凝縮器の冷媒出入り口弁を閉止し、冷却水はそのまま凝縮器の圧力計の指示が安定するまで通水を続けたその後、その圧力計の指示が冷却水温度に相当する冷媒の飽和圧力よりも高かったので、不凝縮ガスが存在すると判断した。 H27保/02
【◯】 良い問題文ですね。テキスト<9次:P211右下 (3) 装置内の不凝縮ガスの有無識別>。(1種冷凍はこの全文を覚える。)
・水冷横形シェルアンドチューブ凝縮器内に不凝縮ガス存在するかどうかの確認をするには、圧縮機を停止し、凝縮器の冷媒出入口を閉止し、冷却水を30分程度通水する。凝縮器の圧力が冷却水温に相当する冷媒の飽和圧力よりも高ければ、不凝縮ガスは存在している。 H28保/02
【◯】 イメージをふくらませて覚える。テキスト<9次:P211右下 ((3) 装置内の不凝縮ガスの有無識別)>
・凝縮器内の不凝縮ガス濃度が高くなると、熱伝達抵抗が増し、凝縮温度は高くなるが、不凝縮ガスの分圧相当分だけ凝縮器内圧力は低くなる。 H29保/02
・不凝縮ガスは、冷凍装置の運転中に凝縮せずに、凝縮器内に残留する。凝縮器内の不凝縮ガス濃度が高くなると、熱伝達抵抗が増し、冷媒側熱伝達率が小さくなって凝縮温度は高くなるが、不凝縮ガスの分圧相当分だけ凝縮器内圧力は低くなる。 R01保/02
【両方 ×】 不凝縮ガスの有無識別に必要な基本的な、「分圧相当分だけ」という文言があるので、ココに分類ス。
不凝縮ガスの分圧相当分だけ凝縮器内圧力は高くなる。
「相当」分圧力に関しては、テキスト<9次:P211右 下から4行目>あたりを読む。
・水冷シェルアンドチューブ凝縮器内に不凝縮ガスが存在するかどうかの確認をするには、圧縮機を停止した後、凝縮器の冷媒出入り口弁を閉止し、冷却水をそのまま 20~30 分間通水する。その後、凝縮器の圧力が冷却水温に相当する冷媒の飽和圧力よりも高ければ、不凝縮ガスは存在している。 R05保/02
【◯】 約10年ぶりの出題。テキスト<9次:P211右下 ((3) 装置内の不凝縮ガスの有無識別)>
見当たらない。具体的な排出方法は、2種冷凍では出題されないかも。(知らんけど)
・不凝縮ガス分離器(ガスパージャ)を使用した場合にフロン冷媒も多少一緒に大気に放出されるが影響はない。 by echo
【×】 フロン排出抑制法によって、大気放出は厳しく抑制されている。フロンの大気放出は厳禁である。テキスト<9次:P212左 (a)の最後>
20/01/03 20/09/09 23/12/09 24/11/28
【2020(R02)/01/02 新設】(← 履歴をここに作った日)