1種冷凍学識計算攻略-問5:圧力容器問題は落とすな、桁にひっかるべからず。

EchoLand-plus

まずは小手調べです、簡単で無難な問題です。

 圧力容器円筒胴の問題ならこれがいちばん簡単?無難?これができなかったらもう一度テキスト読んでね…、みたいな問題です。

 近年は(2007年記)わりと簡単になっています、ただし、少々?引っ掛けられる場所がありますから注意してください。注意するところ?それは、ずばり桁です。さぁ、何はともあれ解いてみましょう。

第一種冷凍機械責任者試験 平成18年度(11月試験)

問5 下記仕様で製作された円筒胴圧力容器がある。この容器をR22用の高圧受液器として使用したい。これについて、次の(1)、(2)および(3)の問に、解答用紙の所定欄に計算式を示して答えよ。 (20点)

 使用鋼板           SM400B

 円筒胴板の厚さ         t = 10 mm

 円筒胴の外径          Do = 570 mm

 円筒胴板の溶接継ぎ手の効率  η = 0.6

 円筒胴板の腐れしろ      α = 1 mm

ただし、冷凍保安規則関係例示基準によるR22の各基準凝縮温度における設計圧力は、次表の通りである。

基準凝縮温度の表2

(1) この受液器の許容圧力は、何Mpaか。小数点以下2桁まで求めよ。

(2) この受液器の設計圧力は何Mpaまで可能か。

(3) この受液器に設計圧力が作用したとき、円筒胴板に誘起される最大の引張応力は何N/mm^2か。

(1) この受液器の許容圧力は、何Mpaか。小数点以下2桁まで求めよ。

 ルンルン、鼻歌交じりで解きましょう。

 「最高使用圧力Pa = 許容圧力」ですから、最高使用圧力Paを求めればよいですね。

 ここに、許容引張応力σaは100(N/mm^2)、最高使用圧力をPa、内径をDiとする。

    Di = 570 - 10×2 = 550(mm)

 内径Diで計算することを忘れないでください、うっかりミスすると悔しいですから。(これは、定番の引掛けです。)

最高使用圧力Paの式

 ここで、下2桁までと指定されていますが四捨五入して1.93としないように!

 最高使用圧力(許容圧力)が計算結果より大きくなってしまうことになります。 1.93とすると、たぶん致命的なミスとされて、計算式があっているから1点!ぐらいもらえるかもしれません。

 答えは、切り捨てして1.92 Mpaとなります。

 答え 許容圧力は、1.92 Mpa

(2) この受液器の設計圧力は何Mpaまで可能か。

 設計圧力は、表から選ぶだけです。

 表から選ぶだけですが…、表中の設計圧力は許容圧力として良い(『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P175左 下から3行目~><8次:P169左(b)>から、(1)で求めた許容圧力は1.92Mpaなので、1.9か2.2のどちらかを選ぶことになります。

基準凝縮温度の表2

 ここで、1.92より低い1.9を選びます。当然と言えば当然ですが、うっかり勘違いしないでください。

 答え 設計圧力は1.9Mpaまで使用可能

(3) この受液器に設計圧力が作用したとき、円筒胴板に誘起される最大の引張応力は何N/mm^2か。

 円筒胴板に誘起される最大の引張応力とは!

 円筒胴板に誘起される最大の引張応力とは接線方向の引張応力(σt)である。 ← これ覚えてくださいね。
 (参考:『SIによる 上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P176右 したがって,・・・ <8次:P170左から右へかけて>

必要さ厚さtaの式

 答え 引張応力は、52.25 N/mm^2

 ここで、1.92とか、570とか、代入する数値を間違わないように、特に1.92(許容圧力)なんてしちゃうと致命的ミスで0点かもしれません。

訂正箇所履歴

【2016/03/17 新設】

  • (『SIによる 上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<7次:P134右(b)>を、
    (『SIによる 上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<6次:P134右(b)><7次:P146左(b)><8次:P169左(b)>)に修正。
  • スマホなどで崩れる計算式などを、自動で大きさが変化する画像にした。解説文等も見直し。(2017/04/11)
  • テキストの<6次><7次>改訂版のページ云々は非表示にし、8次のみにした。(2017/04/11)
  • (3)内「接線方向の引張応力(αt)である。」→「接線方向の引張応力(σt)である。」に訂正(「α(アルファ)」→「σ(シグマ)」)。(2022(R04)/02/19)
  • 設問内の「外形」→「外径」に訂正。(2022(R04)/02/23)
  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/05/31)

Back to top ↑