1種冷凍学識計算11月試験攻略-問5:令和3年度

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R407C用の高圧受液器として使用したい円筒胴圧力容器

 昨年度と同等かな。

第一種冷凍機械責任者試験 令和3年度 問5(11月試験)

問5 下記仕様の鋼板がある。この鋼板を用いて、屋外に設置して凝縮温度50℃で運転されるR407C用高圧受液器を設計したい。この高圧受液器について、設計可能な最大の円筒胴の外径 Do(mm) を解答用紙の所定欄に計算式を示して整数値で求めよ。  ただし、溶接継手の効率は0.70、R407Cを冷媒とする冷凍装置の凝縮温度50℃ における高圧部設計圧力は2.11 Mpa とする。
 また、この円筒胴に、溶接継手のない半球形鏡板を取り付け、この鏡板の内面に設計圧力2.11 Mpa が作用した場合、半球面の接線方向に誘起される引張応力 σt(N/mm2) を、解答用紙の所定欄に計算式を示して、小数点以下1桁まで求めよ。円筒胴と鏡板は外径寸法 Do(mm) を同一とする。

(20点)

(鋼板の仕様)
 使用鋼板            SM400B
 円筒胴に使用する鋼板の厚さ   ta1 = 7 mm
 鏡板に使用する鋼板の厚さ    ta2 = 7 mm

設計可能な最大の円筒胴の外径 Do(mm) を求める。

  • 腐れしろαは屋外設置なので、α = 1 とする。
  • 許容引張応力σa はSM400B なので、σa=100 N/mm2 とする。
  • 溶接効率は η とする。η = 0.70
  • 円筒胴板厚 ta1 = 7 mm
  • 設計圧力をPとする。 P = 2.11 Mpa

 次式よりDi を求める。(参照:『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P179左 (12.8)式><8次:P172左 (12.8)式>

1種冷凍学識令和3年度問5 限界圧力(最高使用圧力)P計算式(令和2をコピペ)
 式の変形が面倒だなぁ…。本番では、変形過程は記述しなくても全然良いです。参考に書いておきます。

1種冷凍学識令和3年度問5 限界圧力(最高使用圧力)P計算式の変形Diを求める。(令和2をコピペ)

 じゃ、数値代入しましょう。

1種冷凍学識令和3年度問5 Diを求める式へ数値代入。

 整数値指定なので、小数点以下は切り捨てる。(四捨五入して391とすると致命的間違い。0点かも。)


 外径Do は、

  Do = Di + 2ta1 = 390 + 2 × 7 = 404


  答え  Do = 404 mm

円筒胴に取り付ける半球面の接線方向に誘起される引張応力 σt(N/mm2) を求める。

 与えられている数値は、

  • 腐れしろ α = 1 mm
  • 半球形形状に関する係数 W = 1
     半球形鏡板は 1(参照:『上級 冷凍受験テキスト』<9次:P180左 3行目~><8次:P173右 (12.14)式の下>
  • 鏡板は溶接継手がないので η = 1
  • 鏡板の鋼板の厚さ ta2 = 7 mm

 半球形鏡板の接線方向の引張応力 σt を求める式は、
(参照:テキスト<9次:P180左 (12.12)式><8次:P173右 (12.14)式>

  σt = PRW / 2t (N/mm2)

 鏡板の半径R は、

  R = Do - 2ta2 / 2 = 404 - 2 × 7 / 2 = 195 mm

 よって、

  σt = PRW / 2t = 2.11 × 195 × 1 / 2 × 7
    = 29.389285 ≒ 29.4 (小数点以下2桁目を四捨五入)


  答え  σt = 29.4 (N/mm2)


 この(令和3年度の)問題は、過去問をこなして公式を覚えれば大丈夫でしょう。

 いつもながらですが、計算はくどくどと記しています。本番では、思い切って削除しスマートな記述にしてください。

 ご健闘をお祈りします。


訂正箇所履歴

【2022(R04)/06/26 新設】

  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/08/10)