1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問2:平成29年度

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2台の蒸発器がある冷凍装置

 混合点のヒートバランス(熱収支)の式が組み立てられれば楽勝でしょう。

第一種冷凍機械責任者試験 平成29年度(講習検定試験)

問2 下図は、蒸発温度の異なる2台の蒸発器を1台の圧縮機で運転する冷凍装置を示し、この装置の実際の運転状態は次のとおりである。

平成28年度1種冷凍講習検定試験問2 2台の蒸発器がある冷凍装置の運転条件

検定平成29年度問2 2台の蒸発器がある冷凍装置の概略図
冷凍装置概略図

 このとき、次の(1)~(5)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。ただし、上記h2の値は、圧縮機の機械的摩擦損失仕事が熱として冷媒に加わったものであり、 また、機器および配管と周囲との熱の授受はないものとする。

(20点)

(1) 蒸発器1の冷媒循環量qmr1(kg/s)を求めよ。

(2) 蒸発器2の冷媒循環量qmr2(kg/s)を求めよ。

(3) 圧縮機の吸込み蒸気の比エンタルピーh1(kJ/kg)を求めよ。

(4) 圧縮機の所要駆動軸動力P(kW)を求めよ。

(5) 冷凍装置の成績係数(COP)Rを求めよ。

とりあえず、p-h線図を描きましょう。

 与えられたな数値や必要な記号などを書き込み、サクッと描きましょう。目をつぶって描けられるようであれば、たぶん合格!!

平成29年度1種冷凍講習検定試験問2 2台の蒸発器のある冷凍装置p-h線図 平成29年度1種冷凍講習検定試験問2 2台の蒸発器のある冷凍装置概略図

(1) 蒸発器1の冷媒循環量qmr1(kg/s)を求めよ。

 必要な数値がすでに与えられています。2冷レベルです。

冷媒循環量qmr1(kg/s)を求める参考図
蒸発器1の冷媒循環量qmr1を求める。

   答え 1.17 (kg/s)

(2) 蒸発器2の冷媒循環量qmr2(kg/s)を求めよ。

 必要な数値がすでに与えられています。2冷レベルです。

冷媒循環量qmr2(kg/s)を求める参考図
蒸発器1の冷媒循環量qmr2を求める。

   答え 0.617 (kg/s)

(3) 圧縮機の吸込み蒸気の比エンタルピーh1(kJ/kg)を求めよ。

 a点のヒートバランス式を組み立てます。あとは、小学生レベルの計算です。

a点ヒートバランス説明図

  qmr = qmr1 + qmr2

     = 1.17 + 0.617 ≒ 1.79

a点の出るものを左辺、入るものを右辺にまとめます。

  qmrh1 = qmr2h8 + qmr1h6

   ここに、h5 = h6

  1.79×h1 = 0.617×419 + 1.17×428

  1.79×h1 = 258.523 + 500.76

  h1 = 759.283 / 1.79

    = 424.18044

    ≒ 424

   答え 424 (kJ/kg)

(4) 圧縮機の所要駆動軸動力P(kW)を求めよ。

 2冷レベルです。(解説略)

P = qmr(h2 - h1)説明図

(3)で求めた  h1 を使います。

Pを求める。

   答え 127 (kW)

(5) 冷凍装置の成績係数(COP)Rを求めよ。

 2冷レベルです。(解説略)

(COP)Rを求める。

   答え  2.36

コメント

 これまた、超簡単です。問1の問題でもそうでしたが、近年の検定試験の難易度は簡単すぎでしょう。echo的に思うのは、講習検定に誘導しているように思うえるのです。良いことなのか、悪いことなのかわかりませんが…。ま、いずれにしろ  神の裁き があると信じています。(2018/08/18記ス)

訂正箇所履歴

【2018(H30)/08/17 新設】

  • (3)ヒートバランス式の左辺「qmr1・h1」 → 「qmr・h1」に修正。 (2021(R03)/03/28)
  • (3)ヒートバランス式計算表示を見直し。 (2021(R03)/03/29)
  • (3)qmr = qmr1 + qmr2
       = 1.17 + 0.617 ≒ 1.79
    を、追加。(2022(R04)/09/03)

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