1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問2:平成20年度

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2台の蒸発器を1台の圧縮機で運転する冷凍装置

 2台の蒸発器の混合点ヒートバランス(熱収支)が組み立てられるかが、ポイントです。

第一種冷凍機械責任者試験 平成20年度(講習検定試験)

問2 下図は、保冷温度の異なる2室の冷蔵室の蒸発器を1台の圧縮機で運転する冷凍装置であり、その理論冷凍サイクルおよび運転条件は次のとおりである。

平成20年度1種冷凍講習検定試験問2 2台の蒸発器を1台の圧縮機で運転する冷凍装置の運転条件

 このとき、次の(1)について解答用紙の図に記入して答え、(2)、(3)および(4)についてはそれぞれ解答用に計算式を示して答えよ。

(20点)

2台の蒸発器を1台の圧縮機で運転する冷凍装置の概略図

(1) この冷凍装置の理論冷凍サイクルと図中の点1~点8の各点を解答用紙のp-h線図上に示せ。

解答用紙検定1種H20問2(1)のp-h線図

(2) 各蒸発器の冷凍能力Φ1(kW)およびΦ2(kW)を求めよ。

(3) 圧縮機の吸込み蒸気の比エンタルピーh1(kJ/kg)を求めよ。

(4) この冷凍装置の圧縮機の理論軸動力P(kW)を求めよ。

(1) この冷凍装置の理論冷凍サイクルと図中の点1~点8の各点を解答用紙のp-h線図上に示せ。

この冷凍装置の容量制御時の点1~点8サイクル線図
解答図

2台の蒸発器を1台の圧縮機で運転する冷凍装置のカラー概略図
色付き参考図

 概略図やp-h線図がスラスラと描くことができれば、あなたは合格!!

(2) 各蒸発器の冷凍能力Φ1(kW)およびΦ2(kW)を求めよ。

 楽勝ですね。(2冷レベルです。説明略)

Φ1を求める

Φ2を求める

   答え  Φ1 = 33.8 (kW) Φ2 = 65.2 (kW)

(3) 圧縮機の吸込み蒸気の比エンタルピーh1(kJ/kg)を求めよ。

 2台の蒸発器の混合点aのヒートバランスを組み立てれば、h1が導き出せます!!と、すぐわかりますよね!

2台の蒸発器の混合点aの図

 出るものを左辺、入るものを右辺にまとめます。

(qmr1+qmr2)h1 = qmr1・h6+qmr2・h8

 これで、できたも同然。

 h1を表す式

 数値代入しましょ。

 h1を表す式に数値代入

   答え 408 (kJ/kg)

(4) この冷凍装置の圧縮機の理論軸動力P(kW)を求めよ。

 えっと、Pを求める基本式は設問に当てはめると、

 P = (qmr1+qmr2) × (h2-h1) ですね。

 ところが、  h2 がわかりませんから求めねばなりませぬ。


2台の蒸発器の圧縮機と凝縮器周りの図

 ハイ、Φkを利用すればよいですね。

 Φk=qmw・cw・Δtw=(qmr1+qmr2)×(h2-h3)

 まずは  Φk を、

 Φk式に数値代入

 では  h2 を、

では、h2を

 では、待ちに待った  P を、

では、待ちに待ったPを

   答え 38.94 (kW) (本番では、式の要点をまとめて大胆に短縮してください。)

コメント

 ヒートバランスを組み立てられれば、あとは2冷レベルの簡単な問題でした。

訂正箇所履歴

【2018(H30)/08/14 新設】

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