1種冷凍学識計算講習検定試験攻略-問1:平成14年度

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二段圧縮一段膨張冷凍装置です。

 ピストン押しのけ量とか体積効率とか把握していないと撃沈。

第一種冷凍機械責任者試験 平成14年度(講習検定試験)

問1 R410Aを冷媒とする冷凍能力90kWの二段圧縮一段膨張の冷凍装置を、下記の諸量とp-h線図上の冷凍サイクルの条件で設計したい。

(15点)

平成14年度1種冷凍講習検定試験問1冷凍装置の仕様

 このとき、次の(1)および(2)について、それぞれ解答用紙に計算式を示して答えよ。

 ただし、断熱圧縮後の低段側および高段側圧縮機吐き出しガスの比エンタルピーは理論冷凍サイクルの値とし、また、機械的摩擦損失仕事の熱は冷媒に加わるものとする。

平成14年度講習検定試験問1。問いの線図

 (1) 低段側圧縮機のピストン押しのけ量を求めよ。

 (2) この冷凍装置の実際の成績係数を求めよ。

なにはともあれ、概略図と(線図)を描きましょう。

第一種冷凍機械責任者学識【講習検定】平成14年度問1線図と概略図(二段圧縮一段膨張)
線図は設問に描かれています。概略図もサクッと描けられれば鬼に金棒です。 目をつぶっても描けるぐらいなら合格!

(1) 低段側圧縮機のピストン押しのけ量を求めよ。

解き方の流れ
  1. 基本式より、低段側冷媒循環量qmroを求める。
  2. 基本式より、ピストン押しのけ量Voを求める。

基本式は、2冷凍レベルです。
 参考: 「2種学識計算攻略:この公式をとにかく暗記せよ!」

基本式

Φo = qmro(h1 - h8) …(1)

Vo・ηv = qmro・v …(2)

Φo:冷凍能力 qmro:低段側冷媒循環量
Vo:ピストン押しのけ量 ηv:体積効率
v:比体積

基本式(1)より、qmroを求めましょう。
基本式(1)より、qmroを求めましょう。
基本式(2)より、Voを求めましょう。
基本式(2)より、Voを求めましょう。

  答え 0.0692 m^3/s

(2) この冷凍装置の実際の成績係数を求めよ。

実際の成績係数(COP)Rの求め方
  1. 中間冷却器の熱収支式を組み立てる。
  2. 実際のh2比エンタルピーh2´を求める。
  3. 熱収支式から高段側冷媒循環量qmrkを求める。
  4. 実際のh4比エンタルピーh4´を求める。
  5. 総軸動力Pを求める。
  6. 実際の成績係数(COP)Rを求める。
基本式
(COP)Rまでの基本式
1.qmroとqmrkを使って中間冷却器の熱収支式を組ましょう。

中間冷却器概略図

 左辺に入るもの、右辺に出るものでまとめます。

  qmrk・h5 + qmro・h2´ = qmrk・h3 + qmro・h7
   (h2は、h2´であることに注意)

 qmroを左辺、qmrkを右辺にまとめます。

  qmro・h2´- qmro・h7 = qmrk・h3 - qmrk・h5

  qmro(h2´- h7) = qmrk(h3 - h5)
  ハイ、qmroとqmrkを含んだ熱収支式の出来上がり。

2.h2´を求めましょう。

h2´説明用線図


 h2´は実際の吐き出しガス比エンタルピーです。圧縮機の機械的摩擦損失仕事は熱として冷媒に加わると指定されていますので、次式で求めます。

h2´を求める式。数値代入
3.熱収支式からqmrkを求めましょう。

 1.で導き出した熱収支の式。これは記憶するより、導き出せるようにした方が断然お得です。


 qmro(h2´ - h7) = qmrk(h3 - h5)


 算数の時間って感じですが、数値代入をくれぐれも間違えないように。

熱収支式からqmrkを求める式へ数値代入
4.総軸動力Pを求めましょう。

P = PL + PH
 = qmro(h2´- h1)+qmrk(h4´ - h3)

ぁ、h4´をまだ求めてありませんねでした。忘れないように。

h4´説明用線図

5.h4´を求める。
h4´を求める式。数値代入
数値代入しましょ。
総軸動力Pの式に数値代入
実際の成績係数
実際の成績係数(COP)Rを求める。

  答え 1.95

訂正箇所履歴

【2018(H30)/06/04 新設】

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