1種冷凍学識計算11月試験攻略-問2:平成18年度

EchoLand-plus

液噴射弁使用の冷凍サイクル

 液噴射弁は、一度勉強すればなんとなく楽勝。

  参考1種冷凍学識計算攻略問2 「液噴射弁を使用した、過熱度防止の冷凍サイクル

第一種冷凍機械責任者試験 平成18年度(11月試験)

問2 下図は、圧縮機吸込み蒸気の過度な過熱を防止するため、凝縮器出口冷媒液の一部を吸込み蒸気に噴射し、吸込み蒸気の過熱度を小さくして運転しているR22冷凍装置の概略図である。この装置について、次の(1)および(2)の問に解答用紙の所定欄に答えよ。

(20点)

第一種冷凍機械責任者試験問2(平成18年度)の問題図

 (1)この冷凍装置の冷凍サイクルを解答用紙のp-h線図の略図上に示し、さらに、点1~点6の各状態点を図中に記入せよ。

 (2)この冷凍装置で、凝縮器出口冷媒液量の10%を圧縮機吸込み蒸気に噴射して運転を行った。このとき、装置の成績係数(COP)はいくらか。計算式を示して答えよ。

 ただし、各状態点の比エンタルピーの値は次の通りである。

1種冷凍学識平成18年度問2運転条件

(1) この冷凍装置の冷凍サイクルを解答用紙のp-h線図の略図上に示し、さらに、点1~点6の各状態点を図中に記入せよ。

 テキストでは、『SIによる 上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<7次:P22>です。(理屈を把握して)覚えておくしかありません。 (平成24年度問2(1)の解答をコピペしました。(こっち(18年度)の作成があとになりました。))

解答図

第一種冷凍問2 平成24年度(1)解答p-h線図(コピペ)

参考図

第一種冷凍機械責任者試験問2(平成24年度)の問題図(コピペ)

<<液噴射弁使用サイクル>>(補足説明)

  • 膨張弁手前の高圧液冷媒点3を液噴射弁で絞り膨張させて、その冷媒点6を蒸発器出口で混合させ、圧縮機へ吸い込まれていきます。点1
  • 意、蒸発器の手前の点4の比エンタルピーは、噴射弁出口の点6と同じです。点4と点6がいまいちわからない人は、p-h線図をよ~く見てください。液噴射弁と膨張弁の入口出口の比エンタルピーは変化しません。
  • 点5の過熱度の大きなガスが吸い込まれて吐出しガス温度が高くなるのを防止するため、吸込み蒸気に液冷媒を噴射させています。
  • なので、蒸気の過熱度は小さくなって、点1の状態で圧縮機に吸い込まれていきます。

(2) この冷凍装置で、凝縮器出口冷媒液量の10%を圧縮機吸込み蒸気に噴射して運転を行った。このとき、装置の成績係数(COP)はいくらか。計算式を示して答えよ。

冷媒循環量を、qとする。

(COP)を表す式

第一種冷凍機械責任者試験問2(平成18年度)冷媒循環量q付加図

ここで、h1が不明なので熱収支を使って求めましょう。

 a点の熱収支の式を組み立てます。

 流入するものと流出するものを左辺右辺にまとめましょう。

 q・h1 = 0.1 × q × h6 + 0.9 × q × h5

 と、なりますが q を消すことができますので、

 h1 = 0.1 × h6 + 0.9 × h5

 この式が、混合点の熱収支の式といってもよいでしょう。採点者はこの式を見るはずです。

a点の熱収支図


 数値代入しましょう。

 ここに、h3 = h4 = h6

h1を表す式に数値代入

よって(COP)は、

(COP)を表す式に数値代入

  答え (COP) = 2.94

勝利のカツ丼

勝利のカツ丼

 ご健闘をお祈りします。

訂正箇所履歴

【2016/02/11 新設】

  • 問題の見出し「平成24年度(11月試験)」を「平成18年度(11月試験)」に訂正。(2016(H28)/10/29)
  • スマホなどで崩れる計算式などを、自動で大きさが変化する画像にした。(2017(H29)/04/26)

Back to top ↑