1種冷凍学識計算11月試験攻略-問5:平成13年度

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基準凝縮温度50℃の高圧受液器として使用したいR22用円筒胴圧力容器

 テキスト読んで、過去問をこなしていれば特に問題ないかと。

第一種冷凍機械責任者試験 平成13年度 問5(11月試験)

問5 下記仕様で製作されたR22用円筒胴圧力容器がある。この容器を基準温度50℃の高圧受液器として使用したい。これについて、次の(1)および(2)に計算式を示して答えよ。

(20点)

第一種冷凍機械責任者試験問5(平成13年度)の問題(仕様)

なお、高圧部設計圧力は、冷凍保安器則関係例示基準にしたがって、次表の値を使用して設計されている。

基準凝縮温度の表

(1) この容器は使用可能であるか否か判定をせよ。

(2) この圧力容器を3.0Mpaで耐圧試験を行うことにした。この耐圧試験圧力の選定は正しいか。

(1) この容器は使用可能であるか否か判定をせよ。

 基準凝縮温度50℃においての、「板厚」と「最高使用圧力」による2通りの判定がある。どちらの解答でもよい。

円筒胴の板厚による判定

必要板厚をta´とすると、 (『上級 冷凍受験テキスト:日本冷凍空調学会』<9次:P178左 (12.5)式)><8次:P171左 (12.5)式)>

1種冷凍学識平成13年度問5 必要厚さta計算式
 (注:Diは内径)

 この容器の必要厚さta´を与えられた条件で求め。この容器の厚さtaが、必要厚さta´以上であれば使用可能である。

1種冷凍学識平成13年度問5 必要厚さta計算数値代入

  答え 必要厚さは8.8mmであり、この容器の厚さは9mmなので使用可能である。

 注)本番では、赤字は書かなくても良い、計算式も適当に短縮してください。

最高使用圧力と設計圧力による判定
(8次改訂版から「最高使用圧力」ではなく「限界圧力」となっている。理由は不明)

 最高使用圧力Paとすると、 (テキスト<9次:P179左 (12.8)式><8次:P172左 (12.8)式>

1種冷凍学識平成13年度問5 最高使用圧力Pa計算式

 最高使用圧力Paが、基準凝縮温度50℃における設計圧力1.9Mpaより高ければ使用可能である。

1種冷凍学識平成13年度問5 最高使用圧力Pa計算式数値代入

 最高使用圧力は、1.95Mpaである。(四捨五入しないこと。切り捨て。)

  答え この容器の最高使用圧力は1.95Mpaであり、設計圧力1.9Mpaであるから使用可能である。

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(2) この圧力容器を3.0Mpaで耐圧試験を行うことにした。この耐圧試験圧力の選定は正しいか。

  耐圧試験の圧力は、液体で行う場合には設計圧力または許容圧力のいずれか低いほうの圧力の1.5倍以上の圧力とする (参照:テキスト<9次:P187右 (4) 試験圧力><8次:P181左 (4) 試験圧力>

 この容器は基準温度50℃で使用するので、冷凍保安器則関係例示基準の表によると設計圧力は1.9Mpaである。

 よって、1.5倍の試験圧力は

 1.9 × 1.5 = 2.85 である。よって試験圧力3.0Mpaは1.5倍以上であるから正しい。

 さらに、この3.0Mpaで破壊しないことを確認する必要がある。

 試験圧力3.0Mpaが作用したときの「円筒胴接線方向応力σt」が「鋼板の許容引張応力 σa = 100 N/mm^2」以下であることを確認すればよい。


 円筒胴の接線方向の応力σtといえば、

1種冷凍学識平成13年度問5 円筒胴接線方向応力σt計算式

 (テキスト<9次:P176左 (12.1)式><8次:P169右 (12.1)式>

 数値代入して

1種冷凍学識平成13年度問5 円筒胴接線方向応力σt計算式数値代入

  答え 試験圧力3.0Mpaは、この容器の基準温度50℃における冷凍保安器則関係例示基準によると設計圧力1.9Mpaの1.5倍以上であり、かつ、 この試験圧力により誘起される円筒胴接線方向応力σtは93.7 N/mm^2であるので、鋼板の許容引張応力σa100 N/mm^2より小さい。よって試験圧力3.0Mpaの選定は正しい。


 長い文章を書きましたが、本番ではポイントを掴んで短縮してください。時間との戦いになると思います。なので、時間を測りながら勉強をしておきましょう。

訂正箇所履歴

【2016/03/19 新設】

  • 最高使用圧力Paが、基準凝縮温度50℃における設計圧力1.9Mpaより低ければ使用可能である。
                    ↓
    最高使用圧力Paが、基準凝縮温度50℃における設計圧力1.9Mpaより高ければ使用可能である。(2016/04/06)
  • 数式の画像や解説など全般的に見直し。(2017(H29)/05/06)
  • 設問の仕様が間違っていたので訂正。(2017(H29)/09/22)
     胴板の溶接効率   η = 0.6 (誤)
     胴板の溶接効率   η = 0.7 (正)
  • 『上級 冷凍受験テキスト』9次改訂版に対応。(2023(R05)/06/29)

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